公益社団法人全日本印章業協会の御印章彫刻証  

きちんとした印鑑の証明書には開運、吉相、印相書体はありません。
←大変重要です

  ぜひ最後までお読み下さい。

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上の画像は公益社団法人全日本印章業協会の御印章彫刻証です。

お客様に印鑑を渡す際に組合加盟店が発行するものです。

どこかのお店が単独で作った証書ではなく、公益社団法人である業界の

中央組織が作った証書である事を念頭にお読み下さい。


これは協会加盟店がお客様に明示する為、6書体のどれかに丸印などを付けて渡すものです。

(赤枠の部分です)

ここに印相体(または吉相体)は書いてありません。

繰り返しますが、社団法人である全日本印章業協会は印章業界の中央組織です。

営利目的の一企業ではなく、業界の発展、印章文化存続の為の言わば公の組織です。

その業界中央組織の証明書に印相体が載っていない意味を想像してみて下さい。

インターネット、実店舗問わず日本全国ほとんどのハンコ屋さんで印相体(または吉相体)が扱われています。

それほど普及しているのに、どうして業界の中央組織が作った証書に印相体が載っていないでしょうか。


ここで誤解しないでいただきたい事は、印相体という文字は篆書体とは別の書体だという事です。

印相体の元(もと)は篆書体である事は間違いありません。

しかし元は元として、印相体は篆書体とは言いません。

それは印相体を扱っているお店の書体見本を見ていただければよくわかると思いますが

篆書体とは必ず分けて見本があるはずです。

仮に同じであるならば、わざわざ名前を変えて別々に紹介する訳がありません。

印相体の書道界での評価をみれば当たり前の事なのですが

篆書体と印相体はあくまでも異なる書体です。



ここでもう一つ画像を紹介します。

印相体は推奨できません 一覧



これは東京印章協同組合の青年部さんが作成した書体見本です。

東京印章協同組合も営利目的の一企業ではなく業界の中央組織の一つです。

印影の下に書体の説明があります。 (赤のアンダーラインのみ私が書きました)

文字が小さくて見辛いかも知れませんが、一番下にある印相体の説明を読んでみて下さい。

ポイントは(1)「近年新しく用いられる・・・」という部分と(2)「当組合では推奨しておりません」という部分です。

(この二つは印相体を説明する上で大変重要な事です)

(1)は印相体は昔からの書体ではなく近年(創られた)書体である説明です。

(2)は書いてある通り「推奨できない書体」とう説明です。

なぜわざわざ「推奨できない」など、カドか立つような説明を付ける必要があるのか想像してみて下さい。

勘のいい方であれば上の「御印章彫刻証」に印相体が載っていない理由がわかりますよね。

「推奨できない書体」だから彫刻証に載せていないのです。

私が言い換えますと、「選んではいけない書体」なのです。

私個人や一企業が言っているのではなく、業界の公的組織が言っているという重要性を考えてみて下さい。



他にこちらもご覧下さい。

印相体 吉相体 一覧



これは昭和50年に印章店用に販売された印影見本です。

発行者は印章技術指導者や印章技術競技会の審査員として著名な方です。

この印影見本に著者である方のコメントがります。(下)



印相体についての警報



赤い枠のみ私が書きましたが、画像にある言葉は全てこの先生の言葉です。

冒頭の「最近」というのは、この見本帳が発刊された昭和50年当時の事です。

ここで少し話を戻して東京印章協同組合青年部さんが創った印影見本の説明(1)を改めてみて下さい。

印相体という文字は古くからあるものではなく、昭和50年当時で「最近」創られたものという事が

業界の中央組織並びに業界では著名な功績者の言葉からわかると思います。

赤枠内の言葉、後半は印章業界全体に対しての言葉です。

印鑑に用いる篆書体は、文字数や並べる文字に応じて形を変える書体です。

しかし、それは勝手な崩し方ではいけないのです

そして、印相体を横行させると篆書を誤らせ、印章が不要になってしまう(事になりかねない)という警告を

業界の先人は昭和50年当時、既に説いていたのです。




最後にこちらをご覧下さい。


印相体 吉相体 一覧


これは同業者さんが業界の為に販売したPRポスターのダイジェスト版です。

ポスターの下には製作者さんの感想と思われるコメントがあります。 

(赤枠の中をお読み下さい)

販売年が書かれていますが、いずれも昭和47年です。

販売された枚数がそれぞれ3,000枚、1,600枚と書かれております。

という事は、印相体を流行させてはいけないと考えるハンコ屋さんがこの当時は数千件もまだあったのです。


ここからは私のコメントです。

印相体という文字が最近創られた文字である事はここまでの説明でご理解いただけたかと思います。

最近創られたこと自体がいけないのではありません。

いかにも昔からの言い伝えであるかの如き嘘の説明がいけないのです。

上の画像や私の解説に疑問を感じたら、印相体を積極的に宣伝している業者さんに

ぜひ下に書いたような質問をしてみて下さい。

何故、印章組合はこれほど流行している印相体を「推奨しない」とわざわざ書いているのか。

業界では有名な(上の画像の)井上先生の言葉をどう説明するか。

印相体や開運印鑑の歴史解説や文献による説明。(を求める)


まさか、「秘伝なので教えられない」とか不思議な回答はしてこないでしょう。

仮に、秘伝で教えられないのであれば開運印鑑を売らなければいいのです。

秘伝を教えてしまっても、彫刻機械が無ければ印章業に従事する人以外は彫れませんよ。

数百万円する機械は無理としても、それより安価な手彫り用の道具があったって

素人の方はなおさら彫れません。。

「仮」ばかりですみませんが、仮に数百万円する彫刻機械を買う余裕があるのであれば

秘伝など知らなくても機械の操作が出来れば開運印鑑(印相体の印鑑)は作れます

真似されては困る秘伝のラーメンスープとは事情が異なります。

また、その秘伝とやらものを、そのお店はどうやって知る事ができたのか。

不思議ですよね。

秘伝なのにどうしてそのハンコ屋さんが知る事ができたのでしょうか。。

また、「上手な印相体」などと言って他のお店より上だと宣伝しているお店。

印章業界の中央組織が主催する技術競技会や書道界での評価はゼロなのに

上手も下手もないはずなんですが、何を根拠に上手だと言えるのか…

そんな事もお店に聞いてみましょう。


話が逸れましたが、開運印鑑を積極的に販売しているお店への質問が、上に書いた3つの質問(

だけでは貧弱だと思ったら、是非こちら開運印鑑 Q&Aの中から適当なQ&Aを抜粋して質問して

みてはいかがでしょうか。



業界用語で印相体専門のお店は「印相屋」と呼ばれています。

正確に言いますと、「呼ばれていました」という過去形になってしまいます。

きちんとした印章文化を存続させる為に、印章技術の指導者が警報を鳴らしたり、印相体を横行させないポスターが

数千枚も売れた時代はとっくに終わりを遂げ、「自分のお店が儲かればいいんだ」というお店で業界は溢れてしまって

おります。

上のポスターが売られていた時代、印相屋は目立たないお店だったり、訪問販売を主にしてひっそりと商売をしていました。

インターネットの普及と、「本当の伝統」より「金儲け」を優先させたハンコ屋によって印相屋さんはひっそりする必要は

なくなり、巧みなセールストークと凝ったホームページで開運印鑑を積極的に販売するようになりました。


インターネットで「印相体」や「開運印鑑」という言葉を検索してみて下さい。

きちんとした印鑑を販売していた「当たり前」の時代は終わり、「消費者を騙してでもお金儲けをしよう」という時代に

なってしまいました。

たかが印鑑 

されど印鑑

単なる書体?

しかしその書体がデタラメなものならば例え高価な象牙であっても価値は無に等しくなります。

どんな高級な和紙や高価な筆を使っても、書く文字がデタラメなら掛け軸も無価値なのと同じです。


見慣れない文字に不思議な力があると思っていたら、その書体は最近創られた単なる商材だったとは・・・

「縁起いい事があるかも知れない」と思って印相体で印鑑を作ったら

公的な技術競技会では価値ゼロとされている書体だった・・・

昔からの言い伝えだと思っていたら、由来や説明が全て嘘だった・・・


こんな事にならないよう、きちんとした眼をもちましょう。

賢明な方がこのページの説明をお読みいただければ、「私」と「開運印鑑販売業者」の説明の

どちらが正しいか、きっとおわかりいただけるかと思います。


最後に一言

悪徳商法である「霊感商法」

霊感商法の悪徳さは私が改めて言及するまでもないと思います。

残念な事に印鑑も霊感商法の商材とされてしまいました。

ここで使われている書体は例外なく印相体です。

普通の篆書体や隷書体、古印体などで彫られた印鑑は霊感商法の商材にはなりません。

霊感商法で用いられる書体は例外なく印相体なのです。


いいと思って作った開運印鑑

よく見たら霊感商法で販売されているのと同じものだったとは・・・ 

実はこんな事は印章業に従事している人の間では常識なんです。

印相体が昔からの言い伝えも由来もなく近年創作された文字である事も

印章業に従事する人の間では常識です。

公的な印章技術競技会では絶対に受賞しない変な文字である事も印章業界では常識です。

知らないのは開運印鑑を買おうと思っているお客様だけです。



サイト管理人 はんこの印善




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