開運印鑑コラム

「開運印鑑のデタラメ」を告発するサイトを自作で作って現在7〜8年経つでしょうか。

印章店を営んでいる私が今のデタラメな印章業界に我慢できず、私ぐらいの知識でも作れる
ホームページビルダー+無料サイトでコツコツと公開してきました。
そんな「開運印鑑デタラメ告発サイト」も7〜8年経つと文章が古くなってきますので、
ここでコラムという形で追伸を書かせていただきます。

「文章が古い? 開運印鑑を語るのに文章が古いとか新しいとか関係あるの?」と思われる
かも知れません。
いえ、開運印鑑を批判するのに文章の新鮮さはあまり関係ありませんが、このサイトを頼りに
印章店を営んでいる私のところへ、応援・はげまし、批判、中傷、時には恐ろしい脅しなど
日々意見が寄せられます。

印章(印鑑)の事はハンコ屋ですので、知識には自信がありますが、「ああ、こんな観点からの
考えもあったんだ」など、私一人では思い付かない方向からの考えや、批判・中傷から考えた事
など、7〜8年間の反響で、観点に変化もあります。
もちろん開運印鑑のデタラメに変化はありませんが。
全てメモをとっていれば、相当充実したサイトが完成したはずなのですが、残念ながらメモは
とっておりませんでしたので、記憶を頼りに開運印鑑コラムを書いてみたいと思います。


さあ、前置きはこの辺にして、最初は・・・
あまり考え過ぎてしまうと筆が進まない、いえタイプが進まないので、パッとした思い付きから。

開運印鑑信者さんを論破できません。

「えっ?」
「あれほど『開運印鑑はインチキだ』と言っておいて、信じている人を論破できないの?」
「もしかして自信無いの?」
「ひょっとして、『開運印鑑はデタラメ』という事は間違い?」

いえいえ、せっかくここまで読んで下さったなら、ここでそんな早合点しないで下さい。
デタラメである事は間違いありません。
「ではなぜ開運印鑑を信じている人を論破できないの?」
普通こう思いますよね。
無理もありません。

開運印鑑というのは印材は多種あるようですが、彫られている文字は例外なく印相体です。
「いや、私が持っている開運印鑑は印相体ではなく吉相体ですよ」という方も中には居るでしょう。
また、
「私の開運印鑑は○○先生オリジナルの書体だから、そこらの偽者とは物が違う」という方も
居るかも知れません。

では、印相体と吉相体、そしてオリジナルの開運書体はどこが違うか。
その違いは二つしかありません。
(1)名前が違う
(2)販売しているお店が違う

「その答え、バカにしてるのか?」とか怒らないで下さい。
文字の形は多少違うかも知れません。
しかし、ボールペンでも筆でも10人が文字を書けば10通りの形があるように、
多少の違いがあるのは当然の事ですので、ここではその違いは考慮する程ではありません。

ん?話が逸れ過ぎ?
文章は上手な方ではありませんが、これも一応重要な事です。

ところで、ハンコ(=ここでは実用的に用いられる実印や銀行印、認印を指します=以下同じ)
に用いられるきちんとした書体は6つあります。
篆書体(てんしょたい)隷書体(れいしょたい)楷書体(かいしょたい)行書体(ぎょうしょたい)
草書体(そうしょたい)古印体(こいんたい)
別に明朝体で彫ってはいけない訳ではなく、ご朱印ではごくたまに明朝体も見ますが、例外は例外として
昔から推奨されている書体を中心に考えます。

あれ、ほとんどの印章店さんでは印相体があるのに、印相体は載せないの?
「批判しているからといって、存在を消すのはいかがなもの?」とでも叱られてしまうでしょうか。

ここで答えを書きます。
篆、隷、楷、行、草、古印の書体は全て学術的に存在します。
しかし、印相体という書体は商業上は存在しますが、学術的には存在しません。
ですので、文字の字典にも載っておりません。
古い文献にも資料にもありません。
私が何を言いたいかというと、印相体は古くからの言い伝えでも何でもないものという事です。

開運印鑑=印相体がベースとなっているハンコ。
吉相体もオリジナル開運書体も大同小異こそあれ、全て印相体だという事。
印相体及び開運印鑑の作風には一定の決まりがあります。
もちろん商業的に創作されたものですが、例えば「太枠は運気が入らなくてダメ」とか
「小判型印鑑は貧相だ」とか、「文字と枠との空間が広いのはダメだ」など、他にも沢山あります。
しつこいようですが、印相体という文字は学術的には存在せず、あくまでも商業的に創作された文字です。
ですから、「太枠はダメ、小判型もダメ、空間が広いのもダメ」だなんて事も、もちろん商業的に創作された
デタラメです。
言い換えれば、印鑑を売る為のセールストークなのです。

このままずっと開運印鑑や印相体のデタラメを書いていくと、延々続いてしまいそうですので、インチキの
詳細はこちら→開運印鑑Q&Aをお読み下さい。

ところで本題の「開運印鑑信者さんを論破できません」に戻します。
私は印章店を営んでおりますので、いろいろなお客様と接します。
開運に興味無いお客様、少しは信じてしまうお客様、そして・・・ハンコに運命を委ねるかの如く
開運印鑑を信じてやまない方。

三者のうち、最後だけ「お客様」ではなく「方」とさせていただきました。
つまり、うちのお店のお客様ではない「来店者様」です。

開運印鑑を信じてやまない方は、大きく分けて二通りに分けられます。
@偶然通りかかったらハンコ屋があったので、開運印鑑について(肯定的な)話を聞いてみようとする方。
A私がネット上で公開している「開運印鑑の実態」を読んで、怒り心頭で店に乗り込んでくる方。

どちらにも共通するのは、私の話をろくに聞かず、一方的に開運印鑑の決まりごとを「知らないなら教えてやる」
という口調で語る事です。

【一例を挙げます】

御来店者様(以下「御」)

(御)「ハンコ作りたいんだけど、ほらっ、あの縁起のいいやつで頼むよ」

(私)「ハンコで縁起が良くなるとうたって販売しているお店はよくありますが、あれは100%デタラメです」

(御)「ん? 知らないの? 印相だよ 印相」

(私)「印相体の事ですね。 あれは商業的に創られたもので、昔からある篆書体をデタラメに崩したものですので
    開運とか何とかの言い伝えはありません」

(御)「だって実際いい事があったよ」

(私)「でしたら貴方様は開運になる印鑑の昔からの言い伝えを信じますか?それとも科学的根拠をもとに開運印鑑の
    効力を求めますか?」

(御)「言い伝えに決まっているでしょ。 科学的根拠がどうのってアンタもつまらない人だね〜」
   「アンタ言い伝えとか信じないの?」
   「昔から(印面の)空間を無くして、文字を枠にたくさん付けた(接した)方がいいって言うでしょ?」

(私)「確かに、開運印鑑販売業者さんはそう言いますね。 でも、それは言い伝えでも何でもなくデタラメです」

(御)「でも実際にハンコを作っていい事あったんですが・・・」

(私)「それは偶然の出来事に違いありません」

(御)「でもさ〜本当にいい事があったんだよ」

(私)「文字を枠に接しなくてはいけないとかが、デタラメですので、いい開運も不幸もハンコとは関係無い事です」

*********************

早ければ最初の一言で、遅くてもこの辺りの会話で、「あんた知らないんだね」とか「開運印鑑作れないだけでしょ?」
など、私の言葉に聞く耳を持たずに話が終わってしまう事がほとんどです。

まあ、こう書いてしまいますと、ご来店いただいた方を批判している様な文章にもなりますが、
実際は上に書いた様な優しい会話ではなく、お店(私)をバカにする言葉を混ぜて、辛辣な批判をして
お店を去ってしまう場合がほとんどです。

基本的に私の考えは、開運印鑑(印相体で彫られた印鑑)を売る側(=お店)がいけないのであり
お客様(=うまい口車にのせられてしまった方)はある意味被害者ですので、お客様を批判するのは
間違いであり、批判されるのはお店側という考えです。

しかし私も感情を持つ人間です。
開運印鑑に纏わる話はデタラメであり、印相体という書体は学術的には存在しない書体という事を
説明しても、私の言う事を聞かないどころか逆に私はバカにしたりする方には、素直な気持ちには
なれなません。

私も若い頃は「丁寧に説明すればきっとわかってくれるはず」と思い、力を込めて説明したりしましたが
「でも○○先生が言っているんです」とか「・・・と言われているじゃないですか〜」と徹底的に反論
してくる方には、無理という事がわかりました。

でも、ここに書いた御来店者様と私の会話、何かの童話に似ていませんか?
そうです「裸の王様」です。
例え話ですので状況は多少異なり「ハンコが見えるのか、見えないのか」という事ではないです。
ペテン師(開運印鑑販売店)に騙され、印相体で彫られたハンコを「いい印鑑だ」と思い込んでいる人に
「それは価値の無いハンコですよ」と教えてあげても、聞く耳を持たないという事です。

トップページや文中にリンクを貼った開運印鑑Q&Aにはもっと詳しく書いております。

それらを読んでもまだ開運印鑑を信じてやまない人には腹立たしい言葉かも知れませんが最後に一言

賢明な人はここまで読めば開運印鑑はデタラメという事がわかるはずです


開運印鑑コラム 第一話はこの辺で

つづく


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