印材の違いによる印鑑の耐久性について
古くから印鑑に使われる材料としては牙、牛の角(水牛含む)、木印材、石印材が有名です。
■牙印材は象牙、マッコウクジラの歯、カバの牙、マンモスの牙など。
■牛の角は黒水牛と陸牛。
■木印材は柘、黒檀、などの他、圧縮印材で彩樺、智頭杉など。
■石の印材は落款印で使われるロウ石、メノー、水晶などがあります。
印鑑(実印、銀行印としての印鑑)に適している順に上から書いてあります。
牙印材は耐久性に優れており、不要になった印鑑は彫り直しをして使ったりします。
牛の角は江戸時代から使われており、象牙に次いで耐久性に優れています。
牙と角を比較した場合、磨耗に対する耐久性は牙の方が断然ありますが、硬い所へ落下した場合の
耐久性は落下の仕方にもよりますが、粘土がある角は素材によっては牙以上の場合があります。
(硬度は牙が上ですが、天然繊維の粘土は角の方があるからです。 牙の硬さは「歯」角の硬さは「爪」位です)
木印材の代表的なものは柘(ツゲ)です。
木ヘンに石と書く字の通り難い木で、繊維も緻密な為、印鑑に限らず昔から工芸細工などに利用されてきました。
最近は彩樺(圧縮+樹脂加工)や智頭杉(圧縮のみ)などの高品質な加工素材も使われています。
石印材は主に落款印(書などに押す印鑑)として使われます。
落款印は「欠け」が味わいとして評価されるので、比較するのは適切ではありませんが
登録に用いる印鑑としては(欠けやすい為)不向きです。
(実印としては登録出来ない自治体も多いです)