※1価値の低い印鑑(開運印鑑)とは
印鑑の価値は字と彫刻方法と印材です。
その大事な三要素が全て偽者(偽物)だからです。
@字である開運書体(←呼び名は業者により異なります)は書法的、印章価値的に無価値です
これは例外ありません。
A彫刻方法: 例外的に手彫りをしているお業者はありますが、ほとんど全て機械彫りです。
例外的に手彫りをしている業者さんも稀に居ますが、書体が開運書体であれば手彫りの価値はありません。
B開運印鑑によくある横目象牙
一本の牙から少量しか取れない裁断方法で作られておりますので金額は高価になりますが
物理的に欠けやすいです。
開運商法をしていない技術者の間では「無駄に高価な象牙」と敬遠されています。
高価イコール高級品とは言えない典型的な品物です。
余談ですが、横目印材のからくりをひとつ
前述しましたが、横目印材は確かに高価な物です。
印材の値段は上級品の1・5倍位です。
しかし・・・
彫刻済みの印鑑の値段は上級品の2〜3倍で販売されています。
そうです 横目象牙を売れば儲かるのです。
業者さんによっては「彫りにくいから彫刻料金も高くなる」などもっともらしい説明をしているところもありますが
Aで書いた通り、例外を除いて開運印鑑は手彫りなんかされていません。
まあ、開運そのものがインチキなんですから、「手彫り」がインチキでも驚いてはいけません。
※2 印相屋さんについて
「印相屋」さんという呼び名は正式名称ではありません。
一般のハンコ屋さんが開運専門のハンコ屋さんを蔑視し付けた俗称です。
ですので、例外が無い限り「印相屋」さんという看板を掲げて商売をしているお店は見つけられないと思います。
「蔑視し付けた」とは酷いと思いますか?
しかし、言葉巧みに見えない嘘を付き、お客様を騙して価値の低い印鑑を売りつけるお店の方が
よほど酷く、蔑視に値するのではないでしょうか。
でも、「蔑視」というと聞こえが悪いですね。
「軽蔑」と表現した方がいいかも知れません。
印相体、吉相体と言われる書体の印鑑を販売しているお店の経営方針を開運商法と言います。
霊感商法の悪徳さは説明不要だと思います。
人の不安を煽り価値の低い印鑑(※1)を高額で売りつける悪徳な商売で、一人の被害額も高額になります。
霊感商法と同じく円の中に収まっているのがいわゆる印相屋さん(※2)と呼ばれる開運専門のハンコ屋さんです。
通常の書体は扱わず、印相体、吉相体の印鑑のみを販売する業者さんです。
1本あたりの金額は通常の印鑑と大差無いのが霊感商法と違うところですが
「金額」と「相手の不安を煽る事」以外は同じです。
簡単に言いますと、霊感商法を無難路線で商売している人達です。
良心的な商売を装う饒舌な人が多く、一人当たりの被害額こそ少ないものの
被害単価×被害者人数=膨大な金額 という悪徳業者です。
ハンコのチェーン店は例外なく「開運の書体」を扱っております。
開運書体の呼び名はチェーン店により異なる場合がありますが
全てのチェーン店に書体の一つとして存在します。
インターネットで大規模に通信販売をしているお店やデパートのハンコ店もこれに属します。
個人経営ハンコ屋さんにもいろいろあります。
老舗か新しいかは全く関係ありません。
「開運の書体」でハンコを販売すると売り上げアップになるので、技術がある老舗のハンコ屋さんでも
開運の書体で印鑑を作っているお店はかなりの数になります。
上の図で円の重なり具合が異なっているのは、「開運商法」に携わる割合の違いを現しています。
開運の書体(開運商法)に携わっていないハンコ屋さんは今や例外的にしか探せないのが現状です。
開運商法とは 〜印鑑の場合〜
太い円の中に納まっている、または掛かっているのは「開運商法」に関わっている度合いを示しています。
ハンコの開運商法とは具体的にどの様な事をいうのでしょうか。
「あれでしょ? 先祖のタタリとか言って印鑑とか壷とかを高額で売りつけるやつでしょ?」
「私はあんなインチキに引っかからないよ」と思う方も多いでしょう。
霊感商法と開運商法を同じと考えている人は実にたくさん居ます。
それは不思議と開運印鑑を信じている方が圧倒的に多いのが実情です。
開運印鑑を信じる人でも霊感商法については誰もが批判、否定します。
「私の持っている開運印鑑は素晴らしいものだけど、霊感商法で高額の印鑑を売るのは悪い事だ」という感じでです。
しかし、その考えは大きく間違っています。
説明の前に理由を
●霊感商法の商材として売られている印鑑は例外なく印相体(吉相体)です。
●開運印鑑として売られている印鑑も例外なく印相体(吉相体)です。
●ごく普通のハンコ屋さんでも書体選択肢の一つとして印相体(吉相体)はあります。
結局、同じ物が売られているのです。
(販売者が違えば印材が異なる場合もありますが、大同小異で同じと考えて結構です)
印相体(吉相体)というのは近年になって業者さんが開運グッズ販売の為に考え出したものです。
ですからもちろん昔からの言い伝えなど何もありません。
「えっ? インターネットで調べると言い伝えとか沢山載っていますが・・・」
と思う方も多いでしょう。
しかし、それらは全て嘘やデタラメです。
「まっ まさか〜 あんな沢山のお店がデタラメを書いている訳ないですよ」 と私の話を信じない方も多いでしょう。
でしたら、私ではなく字の専門家である書道の先生に聞いてみて下さい。
(ハンコ屋さんが書道の先生をしている場合も多いですので、印章業界とは無関係な先生に聞いてみて下さい)
歴史資料館に行って古い書物に押してある印影を見て下さい。
印相体、吉相体はもちろんありません。
印鑑の開運商法とは、言い伝えでも何でもないのに「開運」という言葉を利用し、漠然といいハンコであるかの如く
宣伝・販売している事全てを「開運商法」と呼んでいます。
「開運」と名が付くだけでなぜそこまでこだわるのか。
それは商品価値の無い印鑑を「いい物」として販売している悪徳商法だからです。
開運商法を説明する上で、ハンコ屋さんのタイプを図にしてみました。