開運印鑑についてハンコ屋の3代目である私が正しい知識を伝えさせていただきます。                      

尚、こちらは開運印鑑Q&Aの続編として書きました。

私がこのサイトを開設してから次々とご質問をいただき、本編(開運印鑑Q&A)では書ききれなくなった事もあり

このQ&AUのページを作らせていただきました。

本編とちょっと変えてラフな表現にしてみました。 (少々の不適切表現はご容赦下さい)

では前置きはこの位にして
             

開運印鑑Q&A U




Q1)開運印鑑の会や協会もあるようですが

公益社団法人である全日本印章業協会は印鑑についての正式な「会」と言えます。

しかし、開運印鑑販売業者さんの正式な会はありません。

広辞苑ではどう書いてあるか分りませんが、一般感覚で「会」「学会」「協会」などと言いますと、

普通は「個人ではなく公共的な集まり」という感覚ですよね。

ではその開運印鑑の会や協会を調べてみて下さい。

どこかに「特定商取引に関する表示」はありませんか?

表示してあるタイトルは「特定商…」とは異なるかも知れませんが、開運印鑑を販売していませんか?

もっとストレートに言いますと、「会」や「協会」を装った開運印鑑販売業者ではないでしょうか。

例え開運印鑑販売業者さんであってもそれが集団であれば確かに「会」や「協会」と言っていいとは

思いますが、よく調べてみると単独であるはずです。

ホームページのみではわからない場合、直接質問してみるといいでしょう。

余談ですが、インターネットで「開運印鑑」を検索すると膨大な販売業者さんが出てきます。

これほどの業者さんがあれば本当に「協会」が出来てもいいのではないでしょうか。

しかし、協会はありません。

今後も出来ないでしょう。

理由は

私は事実を基に「開運印鑑販売業者はインチキ業者」と公言しております。

インチキ業者はいくら多くても協会など出来ないと確信しております。

ここからは私自身の持論に過ぎませんが、例え話で説明します。

開運印鑑販売業者を私はペテン師と断言していますが、ここでは開運印鑑販売業者を除く

他のペテン師について考えてみましょう。

ペテン師は大勢居たとしても「日本ペテン師協会」なる会が出来るでしょうか。

泥棒が沢山集まってとしたら「全日本泥棒協会」なるものができるでしょうか。

出来ませんよね。

あれほど膨大な開運印鑑販売業者さんが居るのに、営利を目的としない中央組織は存在しなく、

今後も出来ないでしょう。

みなインチキのライバルだから「他と違いうちは秘伝」「他は駄目でうちは正しい」など主張している方々が

協会など作れる訳がないからだと思います。

よく考えてみて下さい。

 「何かの協会、学会だと思っていたら単なる販売店だった」なんて、それだけで変だと思いませんか?




Q2)貴方は開運印鑑を否定していますが、単に九星気学や姓名判断などの

   占いを知らないだけではないのですか?

私はそのような占いの知識はありませんし興味もありませんが、ハンコ屋の者ですので特に問題ないと思っております。




Q3)それって開運印鑑を語れない言い訳ですよね


無理なこじ付けだと思いますが、おっしゃりたい趣旨はわかります。

私はきちんとした印章店の三代目であり占いや姓名判断の業界とは関係ありません。

残念ながら印章彫刻士の資格をもった人でも占いや姓名判断に絡め開運印鑑を販売している人は大勢いますが、

あくまでも私は事実を書いております。

龍紋(龍刻)や雷紋といった吉祥文様をほどこした印鑑というのは明治時代を全盛に昔は多くありました。

吉祥文様は縁起を担ぐものですので、これを開運印鑑というのでしたら呼び名だけならばいいと思います。

しかし、今販売されている開運印鑑と明らかに違うところがあります。

それは印鑑の命である文字です。

縁起を担ぐ吉祥文様をほどこした卓越した技術で彫られた素晴らしい印鑑に使われている文字はきちんとした篆書体です。

それに対し今販売されている開運印鑑に使われている文字は例外なく印相体です。 

当時の「縁起物印鑑」と今巷で販売されている開運印鑑は全く違うものです。

開運印鑑に使われてる文字は荒唐無稽で無価値な文字です。

(吉祥模様の印鑑については別サイトのブログ及びこちらをご覧下さい)




Q4)ブログを見ましたが八方篆書体を肯定しているように思えるのですが

八方篆書体というのは、正式には篆書体の八方崩しといいます。

藩札(江戸時代のおさつ)の偽造防止を目的と、し篆書体を読めないように崩した書法です。

ほとんどの藩札には縁起文様がほどこされており、その一つ唐草模様状に篆書体を崩した書法が始まりと言われています。

(藩札研究家の意見です。 また、それ以前の糸印の影響もあると考えられています)

「篆書体の八方崩しで開運になる」などという言い伝えはもちろんありませんでした。(←非常に重要な事です

今販売されている開運印鑑に使われている印相体はこの八方崩しをヒントに作られたと言われています。

いずれにしろ篆書体を崩して「縁起がよくなる」などという古文書などの出典、言い伝えはありません。

余談が長くなりましたが、本来の八方崩しは(しつこいですが)開運などとは関係なく、昔の印判師が篆書を読めないよう

崩しつつ、工夫して字を形成して作られた書法です。

文字の美という観点からみると価値はありません。

しかし、開運印鑑商法(印相体)の登場により本来の八方崩しがなくなってしまった今、私は古き良き時代の面影を残す

八方崩しは好きな書風です。

誤解の無いように重ねて言いますが「印影文字の美」という観点では無価値とされています。




Q5)開運印鑑を否定するという事は、貴殿は初詣やお墓参りは行かないのですね。


いいえ

私は初詣もお墓参りも行きます。

それは開運印鑑を否定する事と全く関係ないからです。

私は昔からあるきちんとした言い伝えなどは否定しません。

それに対し、開運印鑑商法は近年商業的に創作されたもので、古くからあるいい物(印鑑)を否定するインチキ商法に過ぎません。

初詣や墓参りとは全く関係ありません。




Q6)篆書体の基になったと言われる甲骨文字は占いに使われたと言われていますが、それでも
 
   印相体を否定するのですか?


印相とは仏教用語ですが、私は印章業界の人間ですので詳しい知識はありません。

甲骨文字が占いに使われたのは研究により明らかとされていますが、開運印鑑販売業者さんが行っている占いとは全く関係ありません。

甲骨文字の占いと、印相体で彫られた開運印鑑は全く関係ありません。

Q7)印相に詳しくないだなんて開運印鑑を否定しているのにおかしいじゃないですか。


どうしてですか?

私はハンコ屋ですので仏教用語について詳しくなくてもおかしいと思った事はありません。

仏教用語として確立されている「印相」と印章業界で創作された「印相」は別物です。

印相体というのは商材ですので、正式な書体名ではありません。

その証拠として、文字の専門家である書道界では通用しません。

(中立を期すため印章業界と無関係の書家の考えを聞いてみて下さい)


印相体は字の専門書である字典にも載っていません。

(上のカッコ同様、印章業界と無縁の出版物である必要があります)


古文書などの文献もありません。

繰り返しますが、印鑑に使われている印相体は近年創作された商業的なものです。

ですから、正式な日本の語彙としての印相は仏教用語の印相の事です。




Q8)創業100年以上のはんこ屋さんが開運印鑑を販売しているので信じています。

そうですか。

私に言わせれば単に創業100年以上のはんこ屋さんがインチキ商法をしているだけの事です。

余談ですが、その「創業100年以上」という事自体嘘という場合も多いと思いますが、例え本当に創業100年以上だとしたら

是非、創業当時の印影を見せてもらいましょう。

100年以上のはんこ屋さんの印影であるならば、現在の印相体は無いと思います。

お店にって違いはあるものの、本来の八方崩しはあるかも知れませんので、それを見せて「これが印相体です」などという

説明があるかも知れません。

しかし今、開運印鑑に使われている印相体と大きく違うはずです。

(本来の八方崩しでも、崩しの緩いタイプは多く存在しますので一概には語れませんが、一般論として説明します)

開運印鑑に使われている印相体は形はいびつですが、何とか判読できる文字なのに比べ、本来の八方崩しは判読が困難です。

それは当り前の事です。

判読を困難に作られたのが本来の八方崩しですから簡単に読めてしまっては八方崩しの意味がありません。

それに比べ、その老舗店で今販売されている印相体は判読可能なはずです。

それも当然の事です。

判読出来なければ印鑑登録できないからです。

では、創業時の判読できない印相体(と称する本来の八方崩し)はどうなってしまったのでしょうか。

店主は何と説明するでしょうか。

「今の時代に合わせ改良された」という説明をネット上ではよく目にします。

「言い伝え」を変えてしまっては開運の効力はどうなってしまうのでしょうか。(これは笑い話ですね)

でも、創業100年以上の開運印鑑販売業者さんは、100年以上前の印影は見せてくれないですよ。

絶対に

だって嘘がバレてしまうからです。

本来の八方崩しばかり彫って居たはんこ屋さんなんてまずありません。

江戸時代の印鑑は大半が篆書体でしたが、明治になって印章基本6書体が普及しました。

お店により違いはあるものの、明治時代は篆書体を中心に隷書体、楷書体、行書体、草書体、古印体などバラエティー

豊富に注文を受けたものです。

篆書体の書風も今とは随分違っていました。

そんな中で八方崩しも混ざっているという状況が普通のはんこ屋さんなのです。

もしかして

>それは普通のはんこ屋さんの事でしょ? 私が言いたいのは秘伝の開運印鑑を彫っている隠れたお店の事ですよ

と考えている方は居らっしゃらないでしょうか。

いい加減目を覚まして下さい。

秘伝の開運印鑑を彫っているはんこ屋さんなんて存在しないんですよ。

まして、秘伝がインターネットで宣伝されていたとしたらとうに秘伝ではなくなっています。

秘伝だから教えられないけど、お金を払えば秘伝の開運印鑑を作っていただけるのですか?

それは秘伝とは言わずペテン師というのです。

話が逸れましたが、その創業100年以上のはんこ屋さんは頑なに創業当時の印譜(印影を押した記録帳)は

見せてくれないはずです。

だって、見せてしまったら創業当時は普通の印鑑を売っていた事がバレてしまいますから。

もしかしたら、慌ててそれらしき印鑑を作って汚して古さを演出した印譜を急ごしらえで作って「これです」と見せてくれる

かもしれませんけど、印譜そのものを急ごしらえで創るのは無理ですから、仮に印影を見せてくれたとしても一つか二つでしょう。

それとも「個人情報の保護」を理由に頑なに拒むかもしれませんね。

100年以上前の個人情報ですか・・・

もちろん個人情報の保護は重要ですが、「いい物を紹介」という観点から考えれば私は見せる事は一向に構わないと

考えています。(実際に私はブログで公開しております)

古文書を展示してある博物館や資料館では連判状が展示してあるところも多々あります。

こういう施設が100年以上前の個人情報をとやかく言いますでしょうか。

また、それを見た人が個人情報保護違反など言いますでしょうか。

そんな杓子定規な講釈より、いい物貴重な資料を後世に伝える事の方が大切だと思います。

別に家族構成やその人の経歴を公開する訳ではないのですから。


その創業100年以上のはんこ屋さんだって、昔からの秘伝印譜があるならば貴重な資料として公開した方が

何よりも自分のお店の為にもなるはずです。

昔は若くして大人並みの生活をしていたと仮定し、15歳で印鑑を作ったとします。

15歳の人が創業当時のそのはんこ屋さんで印鑑を作ったとしたら、今は最低でも115歳です。

25歳の人が創業115年のハンコ屋さんで作ったのでしたら今は140歳ですよ。

個人情報はどうなのでしょうか。

それとも、子孫の方に「ひいおじいちゃんの印影を見せやがって!」とか苦情を言われるのが心配でしょうか。

それなら心配なさらずに、堂々と胸を張り「大変貴重な資料として後世の為に活用させていただきました」と話せばきっとわかって

くれると思います。


余談が長くなって話が脱線してしまいましたが、創業100年以上とかの老舗開運印鑑販売業者さんは

絶対に創業当時の印譜は公開してくれないはずです。

100年未満だって、老舗を売り物にしている開運印鑑販売店さんはきっと同じでしょう。




Q9)観光地のお土産屋さんでは様々な開運グッズが販売されていますが、

   そのような物に昔からの言い伝えがあるごはとても思えません。

   それらもインチキですか?


確かに観光地のお土産屋さんでは様々な開運グッズが販売されていますね。

私が書くと語弊があるかも知れませんが、それらに昔からの言い伝えがあるとは私も思えません。(一般論としてです)

でも、私は開運印鑑のインチキとはあくまでも別と考えます。

観光地のお土産屋さんには失礼な言い方になってしまいますが、それらのお土産に本気で開運を託す人は居るでしょうか。

また、販売(製造)している側も昔からの言い伝えが本当にあるかの如く宣伝しているでしょうか。

買う側(お客様)も本気で開運を託そうと考えそれらのお土産を買うでしょうか。

私はそうとは思えません。

程度により「悪質」か「笑える範囲か」は違いますよね。

エイプリルフールに使う笑える冗談と、いい物を買おうと真剣に考えている人にゲテモノを「いい物」と宣伝して

販売するのとでは悪の程度が全く異なります。




Q10)印相体は販売業者により創作されたものという事はわかりました。
   
   では、印相体ではなく吉相体はいかがでしょうか。


印相体と吉相体は名前が違うだけで同じものです。

お店が違えば多少違った感じの印相体になるかも知れませんが、大同小異で同じものです。

お店によっては「オリジナル●●印相体」とか銘打った書体を宣伝しているところもあるかも知れませんが、専門家の立場

で揶揄させていただきますと、「オリジナルインチキ書体」に過ぎません。

尚、印相体や吉相体は篆書体の字典や千字文には絶対載っていません。(印相屋さん関係が出版した書籍を除きます)

理由は商業的に創作された書体だからです。

えっ? 「秘伝だから字典には載っていない」ですか??

印相体というキーワードで検索すれば膨大なハンコ屋さんや印相体の見本が出てきますので秘伝というのは明らかに

間違っております。

それどころか皆さん商売熱心に印相体、吉相体を広めようと一生懸命です。


篆書体は絶版の書籍も含めると実に多く出版されております。

それは印鑑や石碑文などに書かれた文字を基に作られた書籍ですが、美や文化を尊重せず商業的に創られた印相体までは

もちろん載せません。

もし、私の言う事を信じられないようでしたら論より証拠で古典書籍を扱っている古書店で印相体が載っている字典を

探してみてはいかがでしょうか。

絶対に無いはずですよ。



Q象牙や水牛の印材は動物由来なので良くない印材で植物由来の

 印材にした方がいいと聞きましたが

そのような言い伝えは一切ありません。

ただし、自分自身のお考えにより決める事は構わないと思います。(注 後述

これは最近私のところに問い合わせがありましたので書かせていただきました。

答えの冒頭で「一切ありません」との回答の次に「構わないと思います」と書いたので意外かと思われるかも知れませんが

ここで注意すべき重要なあります。

(このご質問に関心がある方は、誤解のないようにお願い致します。)

繰り返しますが、印鑑の材料(印材)について動物由来のものは不吉などというきちんとした言い伝えは一切ありません。

言い換えれば、それが言い伝えや秘伝であるかの如く言われているとしたら、それは明らかな嘘なのです。

お客様自身の信念に基づく考えで動物由来の印材を避けるのであれば私は問題ないと思いますが

ハンコ屋の嘘を鵜呑みにしてしまうのはいかがなものかと思います。

象牙や水牛の角が印材に向く素材として古くから広く使われてきたのは紛れもない事実です。

嘘の宣伝に基づかない信念でしたら一向に構わないと思いますが、嘘を信じてしまってはいけません。

それにしても、動物由来の印材がダメと宣伝しておいて付属の印鑑ケースが牛革製だったりしたらびっくりしますよね。



開運印鑑Q&A U はいただいたご質問を基に本編の追伸として書きました。

(実際はお問い合わせいただいた人にQ&Aにあるような不躾な口調で返答しておりませんが、わかりやすいよう一部ラフに書きました)

今後もここに本編、続編に載っていないご質問があれば内容により追加更新する予定です。

下のバナーは開運印鑑の嘘・デタラメを証明する資料をブログの記事にしました。

私の説明では半信半疑だという方は、資料を併用した説明(ブログ)がありますので是非お読み下さい。↓

印相体・開運印鑑の嘘デタラメについて(ブログ)


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