明治6年(初版は同5年)に出版された本に捺印された
慶應義塾出版局の印影です。
薄くなってしまっていて文字にも重なるので印文を完全に読む事は
難しいですが、恐らく「慶應義塾蔵版之印」と彫られています。
丸みを帯びていますが、美しい印篆です。
現在、「之」や「印」はこの様に彫る事はほとんどありませんので
参考になります。
古い印影は出版されている譜で見る事は出来ますが
その大部分は落款印です。
現在の木口彫刻の工法で彫られた実務に使われる印章は
現在出版されている印譜ではほとんど見る事が出来ません。
印章店としては大変参考になる印影です。
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