印鑑の書体について
印鑑に適する書体は大きく分けて篆書、隷書、楷書、行書、草書、古印体の6書体です。
中国では明朝体の印鑑も見掛けますが、日本ではほとんどありません。(遊印やゴム印を除くきます)
印相体や吉相体と言われる開運書体は業者さんが考え出した変形書体ですので、いい書体には該当しません。
「実際には広まっている書体を否定するのは何故?」と疑問を感じる方もいらっしゃると思います。
確かに広まっているのは事実です。
しかし、広まっている=いい物とは限りません。
その証拠に、字の専門分野である書道では開運書体は通用しません。
「書道の先生が開運印鑑を販売している」という事を聞いた事がありますが、これはその先生が
開運商法をしているだけの話であって、書道の競技会で開運書体が受賞する事は有り得ないという現実が
通用しない事を証明していると言えます。
ありがちな疑問その2
私がここに書いている事が事実なのか創作なのか・・・
大いに疑問を感じる方も居らっしゃるでしょう。
それは当然の疑問だと思います。
なぜなら開運印鑑販売サイトには当サイトとは正反対の事が書いてあるからです。
画像をご覧下さい。
本サイト内のリンク一覧 |
本サイト内の文章で付記説明の必要な語句にはリンク先で別途説明文があります。 |
これにも印相体、吉相体は載っていません。
「いえいえ それらは篆書体の一部だから・・・」という開運業者さんの言葉が忘れられない方
でしたら、そのお店はその書体を「篆書体」として宣伝していますか?
篆書体とは分けて宣伝しているはずです。
宣伝する時は分けて、説明する時は一緒だと言う
どうなんでしょうか 本当のところは・・
「一緒も何も全て印相体の専門店ですよ」ですか?
そういうお店はハンコ屋さんとは一線を置く印相屋さんと言います。
これは東京印章協同組合が作った書体の見本です。
組合の出版物であり、画像がいろいろなサイトに二次利用されてしまっているので印影はわざとボカしてあります。
この見本には印相体、吉相体はありません。
仮にそれらがいいものであるならば、印章組合が見本に載せない訳がありません。
開運印鑑販売業者さんのサイトでは
「印相体、吉相体は篆書体のひとつ」と書かれている場合もありますが、それは違います。
大きい本屋さんの書道に関する本のコーナーに行けば篆書体の字林(辞書)があると思います。
その字林には印相体、吉相体は載っていません。
もちろん、開運業者さん関係の出版社の字林が紛れ込んでいたら別ですが、その字を書道の競技会に出しても
受賞は有り得ません。
下の画像は社団法人 全日本印章業協会の御印章彫刻証です