究極の開運印鑑  本文へジャンプ
蒼頡も開運印鑑は全てインチキと言っています 
    蒼 頡



































































































八方崩しの印影 (江戸時代の印鑑・印章) 

     
---開運印鑑は全てインチキです---《特別編》---


印章業界のインチキ・デタラメを告白して (開運印鑑撲滅ブログ 特別編)

印章業界の深刻な汚点を何とかしなくてはという思いで私はこのサイトを作りましたが、当初はトップの

1ページみで、そこにお店のHPをリンクさせただけの単純なサイトでした。

印章業界で暮らす人間自ら業界の汚点を告白する為、当初は反感や中傷を心配しておりました。

しかし、当初の心配とは裏腹にサイトを見て下さった方々がリンクを辿って励ましのメールを下さり

サイトを作成して良かったと思っております。

中には開運印鑑信者の方からお叱りのメールや、印相屋さんに中傷された事もありましたが、今回は

皆様からいただいたご意見を参考に、開運吉相印について改めて書かせていただきたいと思います。

ほとんど画像のない文章なので読んでいただける方は退屈かも知れませんが、開運吉相印に

関する説明では膨大なネット情報の中で唯一正しい情報ですので、是非お読みになって下さい。


いただいたメールのご意見ははっきりと分かれます。

圧倒的なご意見は好意的な「目が覚めた」とか「よく書いてくれた」とかですが、中には「印鑑で幸運

なったので変な事は書かないで下さい」とか「勝手な事書くな」などお叱りのメールもあります。

お叱りを受けた時は、内容そのものより、表現方法が悪かったのかな?などもちろん反省はします。

しかし、「やはり印鑑と運勢は関係あるんです」などという開運印鑑信者さんには「隅から隅まで

私のサイトを読んでみて下さい」としか言いようがありません。


そんな気持ちが落ち込む中でも嬉しいのはやはり激励のご意見です。

既に本文を読んで下さった方は私が好き放題書いているように思われるかも知れませんが

私は印章店を営んでおりますのでそれでも表現には気をつけるようにしています。

しかし、激励のメールでいくつか「もっとバッサリ言って下さい」というご意見もいただきました。

今回はとある方のリクエストに応えてバッサリ斬ります。

遠慮無くインチキ商法を斬りますので表現方法に不適切な箇所が多々あると思いますが、ご理解願います。


さあ、前置きが長くなりましたが、開運印鑑商法についてです。

簡単に書きますと、開運の印鑑などは全てインチキです と言ってしまえばいい事なのですが、それでも

理屈をもって説明しないといけませんね。

私がインチキと言っても開運印鑑を作ろうと考えている方は、次の様な疑問が浮かぶのではないでしょうか。

「人によって信じる、信じないという違いはあるにしろ、一概にインチキというのは表現が不適切では?」

という疑問です。

サイト全体を読んでいただければ答えは書いてあるのですが、当初1ページのみだったところ、質問等を

いただき次から次へと継ぎ足して作ったのではっきり言って見づらく、読んでいない場合は仕方無いです。

そこで印鑑の歴史から見てみます。  
            

印鑑と漢字の歴史は大いに関係しています。

そこで漢字の起源についてですが、漢字はご存知の通り中国で生まれました。

紀元前1,700年程前の「殷」の時代の甲骨文字が起源と言われています。

学術的にはその前の「夏」時代の出土品に文字状のものが刻まれておりますが、「夏」の存在自体

はっきりとした事がわかっておりませんし、その文字も解読されていないので、ここでは

甲骨文字を漢字の起源とします。

その甲骨文字ですが、歴史の教科書等でご覧になった事がある方は多いのではないでしょうか。

獣骨や亀の腹に彫られた文字です。

これは言葉を伝える単純目的で作られたものではなく、占いで使われたものだという事が研究でわかって

きています。

「ほ〜ら 文字と占いは関係あるでしょ? 吉相体も占いの一つですよ」 と言いたい方

早合点せず最後まで読んで下さい。

話は戻りますが、漢字を最初に創り出した人物は殷以前の時代の蒼頡(ソウケツ)と言われています。

ここで疑問が沸きませんか?

「殷」以前の事ははっきりとわかっておらず、またその当時の文字も解読されていないのにどうして

文字を考え出した人物が蒼頡とわかるのでしょうか。

更に、蒼頡はその眼のよさから眼が四つあったとされています。

「ええ〜 そんな〜 いくら昔の人だとしても目が四つだなんて〜」


そうです。

蒼頡という人物は伝説上の人物なのです。

補足になりますが、「夏」というのも「殷」とうのも後世になって付けられた名称です。

考えてみれば文字が無かった(注:前述)時代の年号に夏も冬もありませんよね。

蒼頡の話はここで一旦終わりにして漢字の歴史についてです。

甲骨文字は象形文字に近いですが、明らかに篆書体の原点となっている書体です。

その後は金文や石鼓文となり、秦の時代に小篆となります。

金文は殷の時代の祭祀に使用された青銅器に鋳込まれた文字です。

そうです この時代も文字は主に祭祀に使われました。

小篆は秦の始皇帝が李斯(リシ)に命じて文字の統一を図ってつくられたもので、泰山刻石や

瑯邪刻石が有名です。

小篆の後は隷書へと発展していきますが、歴史についてはこの辺で一旦終わりにします。



小篆から隷書へと発展した理由は、文字の利便性です。

この頃は祭祀以外、公文書等で頻繁に文字が使われるようになり、文字を読み書きする利便性を考え

隷書がつくられましたが、官印ではそのまま篆書体が使われていたのです。

威厳を誇示する官印には可読性よりも重厚感のある篆書体がよかったのです。


「威厳で可読性より重厚感?  どういう意味?」

 >角印を頭の中でイメージしてみて下さい。

四角い枠の中に篆書体で印文がある捺印と、楷書体の角印を比べていただければご理解いただけると

思います。


続けます。

現代のように庶民が各々印鑑を使うのではなく、印鑑といえば官印を指しました。

官印のほとんどは方形 いわゆる角印です。

印鑑の四角に合わせ、印文の篆書体も角ばった形にされてきました。

これが印篆です。

角印の縦と横の枠に合うように縦線と横線が多い篆書体になり、究極の印篆が畳篆です。

畳篆といえば九畳篆が有名ですが、この九というのは縁起に関係すると言われております。



開運印鑑信者の方は 「縁起に関係する篆書体」 などという言葉に心を踊らされると思いますが

現在売られている開運吉相印との因果関係はありません。


前述した通り、通常の文書に使われてから次第にかたちを変えていきましたが、篆書体は美や祭祀の

関係で形を変えて次々と新しい形が生まれてきました。

その数は130とも言われています。

鳥虫篆はその一つですし、百寿図は長寿を願って百書体の寿という字を書いたものです。

その中では魚の形で書かれた魚書(ギョショ)、渡り鳥の「雁」の形で書かれた雁書

字で由来がわかると思いますが、蚊脚篆、梅花篆、麦実文など、美というより装飾性を重視して

つくられた篆書体も多くあります。


文字の歴史を説明したのは現在販売されている開運印鑑のデタラメの言い伝えを否定する為に

必要ですので、文字の歴史に興味が無い方でも開運印鑑に興味がある方は是非読んで下さい。

開運印という名前はなくても印相体、吉相体などという書体の印鑑が販売されております。

書体の呼び名はいろいろあり、オリジナルの○○吉相体とかもあるようです。

しかし、大同小異でこれらは全て同類の開運印鑑です。

そして、「○代目の彫る開運印鑑」とか「○○年続く老舗の開運吉相印」など、いかにも古くからある

由緒正しきはんこ屋さんみたいなサイトが沢山あります。

私からみれば「へ〜そんな昔からインチキ商売してたのですか〜」と滑稽にしか感じませんが

その宣伝文句ですらほとんどデタラメですね。

このページのサブタイトルが【秘伝】としているのは感心を惹く為わざとかきました。



大同小異の開運吉相印と書きましたが、その開運印鑑は近年とある方が考え出したものというのは

ご存知でしょうか。

後継者が今でも商売をされているようですのでここでその方の名前は書けませんが、著書もあり

業界では有名な方ですので、どうしても名前を知りたい方は他のお店等で当たり障り無く尋ねて下さい。

その方が開運印鑑商法をする前からも少しは開運印鑑もあったようですが、大きく商業的に

始めたのはこの人からです。

当初は印章業界ではほとんどが開運印鑑商法に批判的で、開運印鑑は専門のお店のみが

販売しておりました。

一般のはんこ屋さんは開運屋さんを軽蔑し、そのようなお店と同一視されないよう「印●屋さん」と呼び

一線を引いておりました。

しかし、印●屋さんが大儲けしている話を聞いた一般のはんこ屋さんが徐々に真似し始め、吉相書体も

広まり、普通のはんこ屋さんが節操無くお金儲けに走りました。

その過程で霊感商法が生まれ、その影響で一時は●相屋さんの数は減少しましたが、コンピューター彫刻

機とインターネットの普及により素人でも業界に参入出来るようになり、●相屋さんが一気に巻き返して

今に至っています。

これは私見ではなく紛れもない事実です。



漢字の歴史や開運印鑑の説明ばかりでインチキという根拠は? という方

これから説明しますので焦らずに読んで下さい。


開運印鑑のインチキを説明するに当たり、大きく二つに分けます。

一つは「デタラメな説明」

もう一つは「いい加減に作られた文字」です。


まずはデタラメな説明から

これは本文と大きく重複していますので、既に読まれた方には申し訳ないですが、インターネットという

誰もが簡単に見る事が出来る方法で、公然とデタラメを宣伝している悪質さを考えると重複していても

説明しなくてはいけませんのでご了承下さい。

順不同ですが、開運印鑑商法では凶印などとされている上下のしるしの付いた印鑑。

 「凶印」だなんて実に失礼です。

昔の印鑑は大体が上下のしるし付きだったんです。

その説明では「印鑑はしるし無しの寸胴で」みたいな事も併せて書かれていますが

無地の寸胴  いわゆる円柱形の印鑑は開運印鑑商法が登場する前はほとんど無かったんです。

開運屋(=以降開運印鑑商法のお店の略)さんの説明は全ての説明に共通しますが

「●●と言われています」という表現が多いです。

あたかも昔からの言い伝えであるかの如く錯覚させる表現ですが、何て事はありません

単に開運屋さんのセールストークとして言われてるに過ぎない事です。

最近は開運専門でなくてもそう説明しているはんこ屋さんが実に多いですが、あたかも由緒正しき事

のように宣伝し、一般消費者を錯覚させているところは本当に悪質です。


「上下のしるし」の続きですが、これは「当たり」「指当て」とか「さぐり」と言い、金属製のしるしは「丹」

と言われているものです。

しかし、開運屋さんの説明では「傷」「えぐり」などと表現されているところもあるので驚きます。

ご覧いただければ一目瞭然ですが、傷とは明確に違います。

傷と言えば普通引っ掻き傷のような傷を指します。

えぐり?

別にえぐってある訳じゃありません。

印面の上下がわかりやすい様に削ってあるだけですが、「傷」や「えぐる」などわざと聞こえ悪く表現している

ところに悪意を感じませんか?


「印鑑は自分の体と言われています。 だから傷を付けてはいけない」

いいえ

印鑑は自分の体などという言い伝えなどありません。

勝手に開運屋さんが創りだしたものです。

重複しますが、円錐形の無地の印材はごく近年登場したものです。

それまでは鈕(チュウ)などの飾り付きが一般的でした。

落款印では今でも鈕付きのものが多いですよ。

鈕には龍や蛇、獅子が彫られている物も多いので、開運屋さんはこれらをどう説明するのでしょうか。

「自分の体に龍や蛇の彫り物をしてはいけません」 とでも言うのでしょうか?

入れ墨の事ですか?。

体に傷を付けてはいけない

印鑑が「自分の体」で上下のしるしが「傷」なのでしたらどうせですから

「自分の体を印刀で彫ってはいけません」などとは書かないのでしょうか。

何せ印刀は「刀」ですから。

というより、開運屋さんはほとんど機械彫刻ですから刀ではなく「針」と表現するのが適当でしょうか。

針で刺した結果、朱肉で捺印し赤くなったら「出血」とでも表現しますか。

いやいや 開運屋さんのデタラメを語っていたら大きく脱線してしまい失礼しました。

上下のしるしについては「一息付ける」などという取って付けた宣伝文句もありますが、詳しくは本文を

読んで下さい。

私が強調したいのは、昔の印鑑はほとんどがしるし付きだった事、円錐形の印鑑は主に戦後登場した

新しいものという事です。

サヤ付きを「フタ付き」など妙な言い回しで呼び「発展を阻害する」など変な因縁を付ける。

開運印鑑屋さんの説明文はデタラメの宝庫ですが、その中の一つに「八方篆書体」と言う説明があります。

「八方篆」などという篆書体はありませんが、八方崩しという印章彫刻はありました。

「印鑑 八方」で検索すると膨大なサイトが出て来ますが、正確に八方崩しを説明しているサイトは

ただの一つもありません。 (恐縮ですが、私が書いたサイトを除きます)


八方崩しは江戸後期から昭和初期まで庶民の印章にありました。

これはお札(おさつ=藩札)の偽造防止の為に「隠し文字」の要素で篆書体を読めないように崩して

作られたものです。

四方八方に広げるという意味の八方です。

「開運」などという要素は全く含まれておりませんでした。 (
←非常に重要です

北は北海道から南は沖縄まで、日本全国津々浦々ではもしかしたら一部のハンコ屋さんで

縁起のいい印鑑として売られていた場合もあるかも知れません。

おっ! これぞ今の八方篆と言われる開運吉相印じゃないか!と心躍る方

でも、「ごく一部の誰かがやっていた開運商法」と「きちんとした言い伝え」はあくまでも別です。

口八丁手八丁の商売人はいつの時代でも居るものです。

まあ、私としては「太枠や小判型はダメ」「角型の実印はダメ」「上下のしるしは傷」

などデタラメが無ければその時代のものはいいのではないかと思います。(あくまでも昔の事についてです)

もちろん、「この方位は商売運だからこちらの方向に字を枠に付けて彫りましょう」とかのうたい文句

で販売していたとしたら論外です。



八方崩しの最大の特徴は唐草模様状にして彫る事です。

彫刻者によっては「唐草」が緩いタイプもありますが、とにかく唐草状が特徴です。

(藩札研究家の間では九畳篆に唐草模様を組み合わせて生まれたと考えられています)

八方崩しは今の開運吉相書体とは大きく違いますし、可読性が悪く実務的な印鑑には適しません。

実印としての印鑑登録も出来ない(役所の窓口で申請却下される)と思います。

開運印鑑の創始者と言われる前述したお方の書法も(当時のは)可読性が低く、仮に今印鑑登録を

しようとしても登録出来ないと思います。

(印●体は八方崩しを基に創作されたと考えられていますので、似ている事は間違いないです)

今の一般的な開運吉相印ですか?

ヘンテコな文字ですが、読もうとすればかろうじて読めますので、登録自体は問題無いと思います。

だって商売ですから、登録出来ない開運印鑑など作っても売れませんよ。

だから篆書体を奇妙に変形させても、ちゃっかり役所の登録には通る程度にしてあるんですね。

開運も役所の基準で変わるんでしょうか。

ちなみに、開運印鑑商法とは無縁の装飾された篆書の(前述した)魚書、雁書、蚊脚篆、梅花篆、麦実

などは印鑑登録はまず無理です。

ここが「商業的に創作された何の由緒も無い文字」と、「いろいろな願いや思いを込めて創られた文字」

の違いです。          (↓ここからQ&A形式で説明します↓)


Q それってあて付けの理屈じゃないでしょうか?

A あて付けなんかではありません。
  
  昔は文字に縁起を込めて装飾させていた事も多々ありましたが、それは全て「造形の趣」がありました。



Q 造形の趣(おもむき)?

  だったら開運吉相体も開運を願う「造形の趣」になりますよね。

A なりません。



Q どうしてですか?

  では昭和初期まで売られていた八方崩しはどうなんですか?

A グレーゾーンですが、昭和初期までの八方崩しは私はいいと思います。

  しかし、今八方崩しの印鑑を開運と謳って販売するのはノーです。

  繰り返しますが、「八方崩」しと「八方篆」は開運屋さんが形と名前を真似しただけで別物です。

  混同なさらないようにお願いします。



Q 「造形の趣」というのが抽象的で今一つわからないのと、昔なら八方崩しは良くてどうして今はダメ

  なんでしょうか。

A 先に八方崩しの事から説明しますが、本来の八方崩しは可読性が低く今はまず彫れらておりません。

  八方崩しだけではありませんが、畳篆も可読性が低く今では復刻、模刻以外ではほとんど

  彫られておりません。

  畳篆は今から千年近く前に中国で生まれた書体です。

  八方崩しはずっと後の江戸後期に日本で生まれました。

  文明科学の発達したこん日だからと言って私は伝説を否定したりはしません。

  漢字を創ったと言われる蒼頡は目が四つあったなんて面白い伝説じゃないですか。

  生物学的に四つの目を持った人物が本当に暮らしていたかどうかなんてどうでもいいんです。

  趣が重要なんです。

  甲骨文字は文字を彫った後穴を開け、木を差し込んで焼いて、それで生じたひび割れの形によって

  吉凶を占います。

  紀元前千五百年以上前の話です。

  この頃は皆本気で神を信じ、自然現象も神の仕業として様々な神事が行われていた事でしょう。

  時は流れ文明も発達し、神より現実を見るようになりますが、それでも趣はその時代時代で異なるものの

  いい物がありました。

  しかし、今の開運吉相印は別物です。

  古くからある良き物をデタラメな言葉で否定して、何の趣も無く字を変形させておいて、しかしちゃっかり

  役所の印鑑登録だけは通るようにする。

  あたかも古くからの言い伝えであるかの如くデタラメな宣伝文句で消費者を騙して勝手に字を

  変形させる。

  こんな商業的な物に何の趣もありません。

  繰り返しますが、開運吉相体(別名の類似品全てを含みます)は古くからの言い伝えによる書体ではなく

  商業的に近年登場した単なる変な文字なのです。  (Q&Aは終わりです)



開運吉相印のインチキについて一通り書かせてもらいましたが、本文で触れていない「文献」について

説明致します。

一部の開運屋さんの間ではバイブルの文献とされるのが「印判秘訣集」と「名判精正録」です。

「開運吉相印はこれらの文献が基になって・・・」など開運屋さんはデタラメを書いておりますが

この本は印鑑についての本ではなく、花押についての本です。

花押は鎌倉時代を中心に大名などが用いた署名の事ですが、都度手書きするのは手間が掛かる為

印章にして用いられる事が多くあったサインの事です。

開運屋さんは花押と印章を無理やり結び付けて開運吉相印の文献だのデタラメを唱えているのです。

「この本を基にして吉相書体になった」旨の説明をしていますが、この本に押されている(正確には印刷)

落款は吉相体ではありません。

あくまでも開運吉相体は後世の人がいい加減に篆書体を変形させただけのヘンテコ書体に

過ぎないのです。


それに文献と言ってしまいますと何だか学術的に認められた書物であるかのイメージがありますが

この二書は江戸時代に書かれたごく普通の易本です。

今でも占いの本や雑誌は沢山出版されておりますが、江戸時代もそれなりに多くありました。

易本を多く扱っている古本屋さんを調べてみればよくわかります。

二書はあくまでも花押について書かれた本ですが、仮にこれが開運吉相印について書かれた本で

あったとしても、それはあくまでも普通の易本に過ぎません。

私は占い全般を否定しているのではありません。

私が言いたいのは、膨大な易本の一つにたまたま「印鑑占い」について書かれた本があったとしても

それは単なる占いの本に過ぎないという事です。

話が「印鑑について書かれた占いの本」のように逸れてしまいましたが、二書は印鑑について書かれた

書物ではなく、あくまでも花押について書かれた易本です。



では何故そんなデタラメを開運屋さんが堂々と宣伝文句として唱えているのでしょうか。

それはこの書物に限らず開運商法全般に共通して言える事ですが

「印鑑について詳しい事はハンコ屋さん以外あまり知られていない」これが理由です。

上の「印判秘訣集」と「名判精正録」は古本屋さんに行ってもそうそう売っておりません。

インターネットで検索するといくつか売られておりますが、高額ですので開運印鑑を興味半分で何となく

調べてみようと考えている人には高額で気軽に買える本ではありません。

これなら嘘デタラメを書いてもバレなければ「なるほど」と思ってしまう人も居るでしょう。



パソコンが普及し、インターネットの環境さえあれば誰でもメッセージを発信する事が出来る便利な

世の中になりました。

しかし、その便利さは同時に「偽の情報も気軽に発信できる」という危険性も併せ持っているのです。

嘘やデタラメで開運と宣伝していてもプラスチックの印鑑を象牙の印鑑と偽って販売するはんこ屋さんは

まずありません。

詐欺罪で捕まってしまう可能性が大きいリスクを負って商売するはんこ屋さんは今は無いでしょう。

「有罪までは無罪」という皮肉は聞いた事があるでしょうか。

これは「有罪にならなければグレーでも無罪」という悪い言葉です。

これは印章業界全体に言える事です。

腐ってしまった印章業界からいい物を探す事は困難です。

いい印鑑をつくりたい方はどうか賢明な眼力をもって探して下さい。


開運印鑑は100パーセントインチキです。

ネット上の手彫り印鑑の99.9%は手彫りされておりません。

私の言葉が信じてもらえるかわかりませんが、賢明な方は理解して下さると思っています。




◎皆様にはどうでもいい事かも知れませんが、内容を再編集し別ページで改めて開運印鑑のインチキを
 
公開します◎

開運印鑑は「信じる・信じない」の問題ではなく「騙されるか騙されないか」の問題なのです。


◎(私見です)◎
 文中Q&Aで「九畳篆は可読性が低くほとんど彫られていません」と書きましたが

 私は九畳篆が大好きです。

 今はほとんど彫られておらず、インチキ商法の無かった時代に印判師が創意工夫し字を畳んで作り出した

 文字ですので、昔の職人さんの心意気を感じる事が出来る貴重な書体だと思っているからです。


開運印鑑撲滅ブログ《特別扁》
                                                         以上





   
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