手彫り印鑑の資料 大正時代の印章カタログより

手彫り印鑑にはいい印章ケースを。

今回は大正時代の印章カタログからです。

まずは、今販売されている古い形式を保つ印章ケースの写真です

KF印鑑ケース

朱肉入れに蓋がありません。

でも、もちろん安物という訳ではなく、きちんとした理由があっての蓋なしです。

KF印鑑ケース
朱肉はよくある布製の朱肉ではなく、本来の練り朱肉を入れました。

「朱肉入れに蓋が無くて大丈夫なんですか?」とご心配の方。

昔は朱肉入れには普通、蓋は無かったんですよ。

でも、高価なケースには象牙製の飾り蓋「牙蓋(げぶた)」が付けられているものもありました。

そうなんです。

象牙の蓋は飾りの蓋なんです。

ですので、パチンと締まる密閉式の蓋ではなく、あくまでも飾りの蓋です。

今、量販タイプの印鑑ケースに付けられている蓋は、象牙製の蓋を模したものです。

「蓋がなくて朱肉が乾いてしまわないのですか?」とご心配の方。

蓋はあるじゃないですか。

ケースを閉めると、自然とそれが蓋になりますよね。

朱肉は油性マジックの様にすぐ乾いてしまうものではありませんので、これで十分なのです。

それに加え、朱肉は油分があります。

最近はチタンなどの印材もありますが、昔は象牙や水牛の角などの天然素材で印材が作られました。

朱肉の油分でケースの中の印材が乾燥してしまわないという副産物もありました。

ですので、印鑑ケース内の朱肉入れには、蓋が無くても何の問題もありません。

(蓋があっても、あくまでも飾り蓋ですので、油分の充填という観点からは問題ありません)
(朱肉の油で印材が乾燥しないという事は、主目的ではなく、あくまでも副産物的な効用です)

手彫り印鑑 牙次印などの印章カタログ

さあ、これが大正時代の印章カタログです。

向かって右には、水牛の角の先端に象牙を付けた牙次印(げつぎいん)も見えますね。

手彫り印鑑 牙次印

角型、丹入り、牙次、三拍子揃った古き良き時代の素晴らしい印鑑です。

朱肉入れの蓋はありません。

手彫り印鑑 牙次印

これも角型の牙次印ですが、象嵌入りの素晴らしい印材です。

これも朱肉入れに蓋はありません。

当然、この時代は完全な手彫りです。

手彫り印鑑ってやっぱりいいですね。

手彫り印鑑

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