実店舗に開運印鑑を買いに(作りに)来る方に事実を伝えると、反響は大きく分かれます。
@説明を信じて目覚める方。
A話を全く受け付けない方。
今回はAの方からよく言われる話についてです。
Aに該当するほとんど全ての方が「印鑑の開運を信じたい」「印鑑に開運を委ねたい」という希望的観測が
こちらの話を受け付けなくしていると思います。
少々堅苦しい書き出しになってしまいましたが、よくありがちな話を書きます。
(◎この内容はQ&Aやどこがいけないのか、そしておにぎりと雨の例え話の説明と重複します。)
「ありがち」と書きましたが、私が若い頃お客様を怒らせてしまった経験を基に書きました。
〜開運の印鑑を作りに来たお客様と開運商法をしていないお店側との会話〜 (例)
お客様) 開運印鑑が欲しいんだけど・・・
店 員) ハンコと運勢は関係無いんです。
「印鑑で開運」というのは業者さんが創作した話なんですよ。
お客様) 私は「開運書体の印鑑」を使ってから運が良くなったんだ。
言い伝えがあるのか無いのか知らないけど、現実問題として私は
開運印鑑で幸運に巡り合えたんだ。
自分が信じているんだからそれでいいじゃないか。
店 員) いわゆる「開運書体」というのは開運の御利益があるように見せかける為に
作られた書法を無視した価値の無い字です。
いいハンコは「開運」とは無縁の印鑑です。
お客様) あなたが印鑑の力を信じないのは勝手だけど、私は実際に開運印鑑の力を
体験したから信じているんだ。
例え気休めでも構わない。
絶対開運になるとは思ってなんかいないよ。
縁起物を買いたいだけなんだ。
でも、このお店は開運印鑑を作れないなら他のお店でハンコを注文するよ。
この話は私が若い頃お客様を怒らせてしまった経験を基に書きましたが
開運商法をしていない同業者さんからも「私も一度は経験がある」とよく聞きます。
もちろん今はこのようにお客様を怒らせてしまう事は言いませんが
自分が信じていればいいのでしょうか。
「縁起物を買いたいだけ」ならいいのでしょうか。
もちろん法的に問題がある訳ではありません。
しかし、それでも開運印鑑など買ってはいけません。
開運の言い伝えなど無い事はわかっているんだ
自分に暗示を掛ける為にハンコを作る時は開運の書体で作りたいんだ。
ここまで言われてしまうと、お客様が「買いたい物を自由に買う」という事を妨げられません。
しかし、本当にいいのですか。
目を覚まして下さい。
●開運印鑑は業者さんがお金儲けの商材として創り出した単なる「開運グッズ」なんですよ。
●ハンコの彫刻技術競技会で「開運書体」は通用しないんですよ。
●それどころか、開運書体で出品すれば笑い者になる程おかしな書体なんですよ。
●開運印鑑を販売している人でも技術競技会に出品する時は開運書体では絶対に出品しないんですよ。
●そもそもハンコで開運などという言い伝えは無いんですよ。
そうです。
「開運印鑑で幸運になった」というのは単なる時期的な偶然か錯覚に過ぎないのです。
それでも開運印鑑、縁起のいい書体なる印鑑を買いますか?
他人を騙す人は饒舌な人間が多いものです。
私がここに書いた事と、開運業者さんの話のどちらを信じるか・・・
縁起のいい印鑑を作りたい人はよく考えてみてください。