象牙印鑑の品質表示方法
「間違いではないけど正しく無い」?? 今ひとつ意味がわからないと思いますが、説明の前にまずひとつ

業界で統一された表記方法というのはありません。

中心でとれる「芯持ち」はどのお店でも共通しているようですが、その他は分類も全部で5つ位に分けている

お店もあり呼び名も様々です。

さて、「間違いではないけど正しくは無い」という事について

@後述(図)する「表皮」とそのすぐ内側の「粗目」についてはほぼ共通して外側にいく程粗目になり印材には適しません。

 話が逸れますが、中国や東南アジアではこの部分から作られた印材がお土産としてよく売られています。

 しかし、これらは粗悪品で湿度の変化等によって印材にヒビが入ってしまう場合があります。

 そして何より、ワシントン条約により、例え個人旅行者の1本のお土産だとしても、税関で持ち込みが発覚した場合は

 没収の対象になります。

A象牙の価値は特有の「目」と「色」によって決まります。

  これは中心部になればなる程上質になる・・・という訳ではありません。

  A個体差が非常に激しい  

  B芯部から遠くても「目」が細かく「色」がいい物(成長線シマ模様が目立たない)は上級品として販売されている。

   逆に、芯に近くても「目」が粗い物は上級品として販売できない。


  これは品質表示方法が間違っているだけで「開運」や「ウソの手彫り」と違い、悪意のある偽装とは別と考えるべきでしょう。

  中心から離れ比較的外側に近くても良品の印材は個体によりよくあるのです。

  下の画像をご覧下さい。

  まず大きな画像 
  カメラの性能上および技術不足により象牙の模様がうまく撮れないので、わざと照明を暗くして撮影してあります
   暗く撮影した写真をソフトで明るく加工したので画像に不自然な箇所がありますが、「網目」を消したりする加工はしておりません。

   

象牙の品質について

あまりよく撮れていない写真ですが「網目」と「目無し」はおわかりいただけましたでしょうか。

「網目」の細かい象牙はいずれも良品ですが、成長線の色が濃く出ている部分は値段が下がります。

「必ずしも中心になるにつれ質が良くなる訳ではない」という事を示すもう一つの画像を

象牙印材の品質表示

どういう向きで撮影したかはおわかりいただけますでしょうか。

写真でわかる通り、必ずしも中心に近づくにつれ「白色」になるという訳ではないのはおわかりですね。

印材は「場所」ではなくあくまでも「網目」を基準に販売されているのです。

もちろん、網目が細かいほど優れています。

◎表皮とそのすぐ内側にある粗目以外は印材として特別問題はありません。

◎表皮は全てありますが、まれに粗目がほとんど無い象牙も存在します。


最後に象牙を輪切りにした画像です  ご参考に

「手彫り象牙実印」

高級なハンコを求めたい方はこのキーワードで検索してみた事があるのではないでしょうか。

出てきたハンコ屋さんサイトでは、だいたいどこも下の様な図と共に説明があると思います。

これはものすごく大ざっぱに言えば間違いではありませんが、決して正しくはないのです。

私が「あれもこれも否定」しますと「本当なの?」と思われてしまうかも知れませんが、これは

ハンコやさん自身でも知らない方が居る話です。

象牙印鑑の品質

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象牙の写真(印材としての観点)

2つ別個体の象牙です。

外側(右側)の表皮とそれに続く粗目はどちらも共通です。

しかし、それより内側(左側)は

上は象牙特有の「網目」がありません。(「網目は」年輪のような「成長線」とは別で、その名の通り網状の模様です)

下は外側の粗目の次に「目無し」箇所が出てきて、次に象牙特有の「網目」が出てきます。

同じ画像に注釈を入れましたので下をご覧下さい。

象牙印鑑の品質表示方法(一般店)
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