開運印鑑(印相体・吉相体)のどこがいけないのでしょうか
「幸」や「福」、「吉」という印鑑(書体)のどこがいけないのでしょうか。
買う本人が納得していればいいんじゃないでしょうか。
という疑問が湧く方もいらっしゃると思います。
私も、百歩譲って「いい物」であれば、例えいかがわしくても
ハンコにおまじないか何かして「開運なる印鑑」として販売する事を真っ向から批判しないと思います。
あくまでも百歩譲ってのことですが、これは「いい物」である事が前提です。
どうせ百歩譲るのですから「いい物」でなくとも「普通の物」であれば良しとしましょう。
でも、開運なる印鑑は普通のハンコではありません。
興味の無い方や馴染みが無い方は違いがわからないかも知れませんが、技術者から見れば
奇妙、異様、ヘンテコ・・・
どう表現するのが適当かわからないほど変です。
日本で唯一のハンコ専門の職業訓練校(神奈川県)を卒業し
印章彫刻士の資格を持つ私が責任をもって断言致します。
開運なる字で彫刻したハンコは無価値です。
別ページにも書きましたが、技術競技会に「開運なる書体」で出品すれば
笑い者になってしまいます。
せっかく象牙でハンコを作っても開運なる奇妙な書体で彫刻すれば価値はグンと下がります。
書画にその書体の落款を押せば、その書画の価値はグッと落ちます。
(そもそも著名な書画の落款で開運印鑑はありません ある訳が無いです)
一般の方は詳しくない事に目をつけて、奇妙なハンコを「運勢が良くなる」と唄い
販売していいのでしょうか。
普通のハンコですと「開運の祈願済です」と言ったところで信じてもらえないので
「字を異様なまでに変形させた書体」で売り出したのです。