手彫り印鑑について
このようなサイトを運営していると、サイトを見ていただいた方やび同業者さんから励ましや応援の
メールをいただく事があります。
大変有り難く感謝の一言です。
このホームページを作る上で開運印鑑販売サイトを巡って開運商法の実態を見てみましたが
日常生活では仕事に追われている為、最近ではほとんど開運印鑑販売サイトは見ておりません。
そんな中、お客様や同業者さんから
「こんな事が書いてありました」とか情報をいただく事がしばしばあります。
中にはサイトの内容をプリントイしてお店に持ってきて下さる方も居らっしゃったり、当サイトまたは私自身が
開運業者さんのサイトで中傷されていると教えていただける事もありました。(これには後日談があります)
そんないただいた情報の中で声を大にして言いたい事の一つに印章協同組合の事があります。
実は、いただいた情報だけでこのような事は書くつもりはありませんでしたが、毎年9月に東京で開催される
印章業界の展示会で実際に開運商法をしている他店さんと話をする機会があり、その中での手彫りの定義について
討論した事をきっかけにこのページを作ろうと思いました。
印鑑(印章)の彫刻方法の定義についてです。
他のページに書いてある事と重複しますが、印鑑の彫刻方法の呼び名は正式に決まっております。
正式名称は「手彫り」「手仕上げ」「機械彫り」の3通りです。
よく''手彫り仕上げ,,の印鑑というのが宣伝されていますが、これは正式な名称ではありません。
彫刻方法が定義付けされ3通りの呼び名が出来た背景は手彫りの偽装が原因です。
「手彫り」と言えば当然電動工具などの機会を使わずに全て手作業で彫った印鑑を指します。
しかし、正式な名称が定義付けされる前はほとんど機会で彫っておいて最後に手彫り風の傷を付けただけのものや
ひどいものでは機会で彫ったままの印鑑も「手彫り」として売られている惨状でした。
これは優良誤認というものです。
「手彫り」で作った印鑑を「機械彫り」として宣伝して販売するお店はありません。
それは手彫りの印鑑は機械彫りより優れていると消費者に認識されているからです。
ハンコは印影(文字)が重要ですので、いくら手彫りであっても下手な印鑑は価値がありません。
しかし、これはそれ以前の消費者が感じるイメージの事です。
わかりやすく言うと、虚偽の宣伝により消費者が優良な物と信じて買ってしまう事
これが問題なのです。
上手下手の問題ではなく、商品が正しく表記されているかの問題です。
少々堅苦しい文章になってしまいましたが、商品(印鑑)が正しく表記されていない事を公正取引委員会が問題視
したのです。
そこで業界の中央組織である印章協同組合と協議して定義付けし彫刻方法の正式名称を制定したのです。
印鑑の彫刻方法を9通りに分類し、それぞれ「手彫り」「手仕上げ」「機械彫り」と呼ぶ方法に決まったのです。
全てを紹介するには長くなるので省略しますが、簡単に言いますと
一切機械を使わずに道具を使い手仕事のみで彫り上げた印鑑を「手彫り」と言います。・・・・A
これは異論無いと思います。
それに対し、機械(コンピューターフォント使用)で彫られた印鑑は「機械彫り」と言います。・・B
これも異論は無いと思います。
最後に「手仕上げ」についてですが、「手彫り」と「機械彫り」の中間と考えて下さい。
例えば、印影の基本となる文字は職人さんが手書きしたものを使用し、荒彫りは機械で行って
仕上げは再び職人さんが手仕事で行う。・・・・C
簡単に言いますとこんな感じです。
いくら職人さんが仕上げを手仕事で行っても、文字がコンピューターフォント(全面編集なしの)でしたら「手仕上げ」とは
ならず「機械彫り」と言います。
ハンコを作る過程を知らない方にとっては今ひとつピンと来ないかも知れませんが、それは説明を省略しているので
仕方ありませんが、私にしてみれば「手仕上げ」の定義も異論はありません。
長くなりましたが、ここからが本題です。
この名称に異論を唱える人達が居るのです。
前述した9月に開催される印章業者の展示会での事です。
知り合いの知り合いとかいろいろな関係で、会場のあちこちで初対面の業者さんと話をする機会があります。
その話の中で私が
「手彫りの偽装が近年ひどくなっていて、インターネット上では無法状態となってしまっていますね」と嘆いたことろ
ネット販売をしているその業者さんは
「手彫りだ手仕上げだのは印章組合が決めただけで法律で決まっている訳じゃない」と私の意見に異論を唱えたのです。
あたかも、印章組合が「勝手に」決めた とでも言わんばかりの口調でした。
「法律で決まっている訳じゃない・・・」
沖縄の米軍基地移転問題で与党のある政治家が同じ言葉を言ってマスコミに叩かれましたが、その業者さんの発言は
それより前でした。
「印章組合が勝手に決めた」
これについては当サイトを見て連絡下さった一般の方から教えていただいた他社サイトさんの情報にも似た表現
がありました。
印章協同組合は、各都道府県ごとの組合が連合して全日本印章業組合連合会となっている業界の中央組織と言っていい
歴史のあるきちんとした組合で、印章社会の発展、継続、技術存続・向上の為につくられた社団法人です。
印章業界でこれ程の規模で組織された公益性のある団体は印章協同組合だけです。
印鑑の彫刻方法の定義を国(公正取引委員会)が印章協同組合と協議するのは組織力、公益性から考えれば
当然の事で、少なくとも印章組合が「勝手に」決めたものではないのです。
では、印章組合に加盟していないお店はどうなのか。
決められた名称を守らなくてもいいのでしょうか。
守らなければ法律で罰せられてしまうのでしょうか。
印章業界とは無縁の一般の方はどう思われますか?
守らなくてもいいと思いますか?
組合に入っていないので守る必要無いと思いますか?
私はそうは思いません。
組合加盟の有無とは関係無く守らなくてはいけないと思います。
何故??
理由を説明するより、現実をお伝えした方が明確だと思いますので印章業界の現状を。
「手彫り」「手仕上げ」「機械彫り」という印章彫刻の3種の呼び名を
「印章組合が(勝手に)決めた事だから守る必要など無い」
「法律的に守らなければいけない訳では無い」
などという持論を語っている業者さんは例外なく手彫りの偽装をしている業者さんです。
そうです。
単なる言い訳なんです。
もしそれでも「うちは手彫りです」とお店の人が言っているならば是非
実際に注文する印鑑の「字入れ」「荒彫りの途中」の写真撮影をお願いしてみてはいかがでしょうか。
〜簡潔明瞭手彫り偽装について〜
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