インターネットで宣伝、販売されている
手彫り印鑑の99.9%は手彫りされていません。
注文の際は必ず彫刻途中の写真も依頼しましょう!
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ネット上には膨大な手彫り印鑑販売サイトがあり、印章店としての私見ではありうますが、巷で「手彫り印鑑」として販売されている印鑑の
99.9%は手彫りされておりません。
「さすがにそれはないでしょ」 と普通は思いますよね。
でしたら、そのお店に手彫りしている途中の写真を撮っていただけるよう、依頼してみましょう。
●ホームページを開設しているお店でしたらデジカメ位持っているはずです。
●大量生産品ならともかく、1本彫るのにかなりの時間が掛かるものです。
デジカメで撮影する時間ぐらいはあります。
●安い品物でしたら頼みづらいでしょう。
しかし、高額な手彫り印鑑を注文するのであれば、引け目を感じず堂々と依頼しましょう。
●撮ろうと思えば簡単に撮れる環境があるにも係わらず頑なに断られる。
これって、何かおかしいと思いませんか?
まずはこちらのブログをご覧下さい。
手彫り印鑑を作ろうと検討されている方には是非読んでいただきたいサイトです。
印鑑が必要になりネットで検索しますと、二つのキーワードが頻繁に出てくると思います。
「開運印鑑(印相体)」と「手彫り印鑑」の二つです。
このページでは手彫り印鑑の実態について説明させていただきます。
「開運印鑑」についてはまずトップページそして開運印鑑Q&Aをご覧下さい。
冒頭の「手彫り印鑑の99.9%は…」という文面を大半の方は信じられない事でしょう。
しかし、印章業界に携わる人間にとってこれは常識です。
99.9%が嘘という「非常識」が印章業界にとって「常識」とはまるでおかしな言葉ですが
これは紛れもない事実です。
99.9%というのはネット上の事ですが、実店舗もニセモノの手彫り印鑑がほとんどです。
これは印章業界の二大汚点(の一つ)となっています。
印鑑の手彫り偽装について
「機械彫り」 「手仕上げ」 「手彫り」
いいハンコを表現する上でどの響きがいいでしょうか。
「手彫り」というのが一番聞こえがいいはずです。
これが偽装横行の原因です。
ネット上の「手彫り印鑑」の嘘とは、実際は手彫り印鑑を販売していないのに
●手彫り印鑑という説明で販売されている・・・・・・@
●手彫りで印鑑を彫っている写真が掲載されている・・A
この二つを指し、ネット専業店か実店舗併用かは全く関係ありません。
@の嘘はもとより、Aの嘘も非常に多いのです。
手彫りとは書いていないのに写真もダメなんですか? 写真くらいいのでは? とお考えの方
しかし
お客様が「手彫り印鑑」と錯覚して購入してしまう事と
店側があえて「手彫り印鑑を販売している」と故意に錯覚させる目的で写真掲載している事が問題なのです。
ここで、手彫り印鑑についてですが、印鑑を彫刻する過程の表現方法は正式に決まっています。
その正式名称は「手彫り」 「手仕上げ」 「機械彫り」の3つです。
それ以外の表現方法はありません。
よく「手仕上げ」に名前の似た「手彫り仕上げ」という名称で売られている印鑑がありますが
これは手彫り印鑑ではありませんし、そもそもこういう紛らわしい名前の工法はありません。
「手彫り」と書いてあるのに「手彫り印鑑」ではない??
頭が混乱しそうですが、これは典型的な手彫りと錯覚させる誤認商法です。
手彫り印鑑の誤認商法が大きな問題になる前は,、彫刻方法の呼び名は正式に決まっておりませんでした。
しかし、彫刻機械の登場と共に手彫りではないのに「手彫り印鑑」として売られている実態が
公正取引委員会から問題視され、公益社団法人である全日本印章業協会が公正取引委員会の指導のもと
きちんと定義を決めたのです。 補足説明→こちら
これは、国(公正取引委員会)の指導により印章業界の中央組織(印章業協会)が決めた
正式なものです。
ですから、これは印鑑販売に携わる業者、個人は守らなくてはいけない公式なものなのです。
どこかの会社が独自に決めた名称ではないので、協会加入の有無の問題ではありません。
では、なぜ公式な呼び方が守られていないか。
理由は
嘘やデタラメを宣伝しても警察に捕まったりなどしないからです。
「このサイトを作った理由」でも書きましたが、食品偽装などと違い
印鑑の手彫りか機械彫りかのごまかし程度(←決して軽んじている訳ではありません)では
詐欺罪で捕まる事は通常考えられないからです。
ここで手彫り印鑑について偽装の観点からQ&A形式で簡単に説明させていただきます。
手彫り印鑑Q&A 〜手彫り偽装の観点から〜
Q1)手彫り印鑑とはどの様な印鑑の事ですか。
A)文字と彫刻の両方を全て手仕事で行い作る印鑑です。
[字入れ] 印影の基本となる文字を通常印面に左右逆に手書きしますが、手書きした文字の転写でも大丈夫です。
[彫 刻]荒彫り、仕上げ共に手仕事で行い、電動工具を使用したものは手彫りとは言いません。
◎よく「ペンシル手彫り」という表現が見られますが、手で取扱うものでも彫刻機を使ったものは手彫りとはいいません。
Q2)手彫り印鑑と手彫り以外の印鑑の違いはどんなところでしょうか。
A)印鑑の彫刻方法は3種類ありますが、「機械彫り」は省略しここでは「手彫り」印鑑と「手仕上げ」印鑑の違いを説明します。
違いの前に誤解の無いように説明しますが、印鑑は印章そのものを利用するのではなく、使用の目的は「印影」です。
そして印影で重要な要素は何と言っても「文字」です。
ですから、字がいいものであれば手彫りでも手仕上げでも問題はありません。
それを前提に考えていただく必要がありますが、手彫り印鑑についてはQ1の通りです。
文字、彫刻ともに職人さんの技量が印鑑の出来に反映されます。
「手仕上げ」は文字自体は手書きの文字を使い、荒彫りを機械で彫る彫刻方法です。
「手仕上げ」では回転する彫刻針で印面に垂直に彫るので、印鑑を縦切りにした際の文字の断面は垂直になります。
そして、文字以外の部分(印面の底)は平らになります。
(実際の手仕上げ印鑑は「底さらい」と言われる手彫り風仕上げがしてありますので、違いのわかりにくい物もあります)
荒彫りは彫刻機械で行いますので、技量に関係なく細かい彫刻が可能です。
Q3)手彫り印鑑は文字が「土手」状になっているので丈夫と聞きますが
A) 印鑑を縦切りした場合、文字の断面が「土手状」になっていれば確かに丈夫といえます。
しかし、荒彫りを丁寧に彫るのが「いい印鑑」の基本ですので、過度な「土手」や故意に土手状にするのは
あまりいい印鑑とは言えません。
土手が付いていますと確かに丈夫ですが、磨耗した場合は文字が太くなり印影が変わってしまいます。
Q4)では、土手が付いている手彫り印鑑はよくないのですか。
A) 土手があれば必然的に耐久性が高くなるので、是非については簡単に言及できません。
しかし、土手を少なく彫る方法は荒彫りを丁寧に彫る必要があり、より手間を掛けて作っていると言えます。
それに、土手を多く付けるという事は、仕上げで文字を大きく修正するという事です。
ですから、土手が多いという事は、言い換えると荒彫りをきちんとしていないという事になります。
素晴らしい印鑑は全ての作業を丁寧にこなしてつくるものです。
耐久性のみを重視し、肝心な手彫りの良さ疎かにしてしまってはいけません。
また、「土手を少なく」と言っても手彫りの場合、必然的に細かい部分は土手が出来ます。
これにより、印面の一番弱い部分である字の細かい部分は適度な土手により耐久が増します。
ですので、技量のある職人さんの丁寧な荒彫りで作られた手彫り印鑑は素晴らしい印鑑と言えます。
また、印鑑本体(印章)を提出する技術競技会では土手が目立つものは印影がよくても絶対に受賞しません。
いい印鑑は印影のみではなく、ハンコ本体の粗彫りも重要なのです。
Q5)ページの冒頭に「手彫り印鑑の99.9%が手彫りではない」とありましたが
手彫り印鑑と偽装された手彫り印鑑の見分け方法はありますか。
A) 人によっては「文字を見れば分かる」「土手を見ればわかる」「私はプロだから見ただけで分かる」
などいろいろ持論があるようです。
確かに簡単な偽装手彫り印鑑であれば確かに見分ける事が出来ます。
しかし、巧妙に偽装されたものは判別できません。
では、どうすれば本物の手彫り印鑑を買う事が出来るか。
一番の方法は、印鑑の彫刻作業を字入れから最後の仕上げまで全て見ている事(←これは当たり前と言えば当たり前ですね。)
ここで、間違えてはいけないのは
@印鑑彫刻作業の一部を見るだけでは意味がありません。 多くの偽装手彫り印鑑は実際の印刀で仕上げや底さらいが
されており、その作業を一般の方が見ても、偽装か本当の手彫りかはほとんど判別出来ません。
Aホームページや店頭で手彫り印鑑の彫刻過程が順に写真で紹介されている事が多いですが、これは手彫り印鑑の
偽装で最も多い事例ですので、何の参考にもなりません。
同様に、技術競技会の賞状や印影も手彫り印鑑を販売している参考にはなりません。
ポイントは手彫りしている途中状況(進行途中)の写真です
ですので、インターネットで手彫り印鑑を注文する際は必ず「注文品の彫刻途中の写真」を併せてお願いしましょう。
インターネットには縁が無いご高齢のハンコ屋さんならいざ知らず、ホームページを開設していて見本の写真などを
サイト上で公開しているなら、デジカメが扱えないという事はおかしな話です。
頑なに「写真はお付けできません」という話より「実は手彫りしていない」とい風に解釈するのが普通ではないでしょうか。
お店を疑うようでなかなか依頼しづらいのでしたら、「記念に」とか「今は他の店でも同様のサービスがあるので」などを
メールで依頼すれば問題ないと思います。
プリントしたものでなくともデジカメ写真のデータを依頼するだけなら尚更です。
彫刻工程の写真や動画を掲載している販売サイトなら必ず引き受けてくれるはずですだと思いませんか?
手彫りというのが本当なら
Q6)「ホームページ上の手彫り写真や技術競技会入賞の紹介も参考にならない」というのは極端過ぎませんか?
A) いえ
冒頭にある「手彫り印鑑の99.9%は手彫りではありません」という言葉は紛れもない事実であり
小さな老舗の印章店から大規模なネットサイトまで印章業界の二大汚点に大半が係わっている深刻な現状ですので極端とは言えません。
インターネットで手彫りと宣伝されているお店から手彫り印鑑を購入を検討している場合、本当に完全な手彫り印鑑なのか
確かめたい場合は、実際の注文品を彫刻する「字入れ」「荒彫り」工程の途中写真を依頼してみてはいかがでしょうか。(Q5と重複しますが)
重要な事は、@見本事例ではなく実際の注文品である事 A「字入れ」も「荒彫り」もあくまでも途中の写真である事
実際はその店を疑っているような依頼になってしまうので言い出しづらいと思いますが、インターネットは偽装が簡単な代わり
会話をしなくても買い物が出来てしまうので、言いづらかったらメール等で(会話をせず)依頼してみてはいかがでしょうか。
ホームページを開設していて画像も公開しているのに「デジカメ撮影が出来ない」などという理由で断られる事は無いはずですから。
Q7)「手彫り印鑑証明書」が付いている印鑑を買ったのですが、これは手彫りに間違いないですよね
A)個々の証明書の信憑性に付いては言及できませんが、汚点が隅々まで浸透してしまっている印章業界の
証明書を額面通り信用するのは安易な考えだと思います。
その証明書にQ6の様な写真が伴っていれば本当の手彫り印鑑と考えていいと思います。
もちろんその写真は「実際の注文品である事」「工程の途中写真である事」が絶対条件です。
Q8)技術のある職人さんがなぜ手彫りの偽装をするのですか
A)「手彫りは手間が掛かるから」という理由が全てです。
「字」は自分が手書きした印稿を機械が読み取り、彫刻機械で浅く彫り、仕上げの際手彫り風の底さらいをした印鑑は
手彫りに印鑑に見えてしまいます。
「そんな手間が掛かるのなら、偽装などしないで実際に手彫りすればいいのに・・・」
と一般の方は考えると思います。
しかし、手彫りはそれ以上に手間が掛かるのです。
印面に文字を左右逆に書き、荒彫りを一から始める手間は、手の込んだ偽装より手間が掛かるのです。
その他、技術に自信のない職人さん、職人さんが居ないお店が偽装するのは
「手彫り」と宣伝した方が売れるからです。
Q9)印鑑は字が命(Q2)という事は、手彫りでも手仕上げでも価値は同じという事でしょうか。
印鑑の価値を語る上で、彫刻者の技量が大きな要素になる事はハンコ屋さんでなくとも分かると思いますが
違う職人さんが彫った印鑑を比べても「手彫り」と「手仕上げ」を比べた事にならないので
ここでは同じ職人さんが手彫りした印鑑と手仕上げした印鑑の価値を説明します。
土手を適度に付けた手仕上げ印鑑の耐久性は、「自然の土手」の手彫り印鑑とそう変わりはありません。(細かい文字は変わります)
しかし、耐久性を大きく左右する要素は何も土手だけではありません。
印材が非常に大きな要素となります。(象牙と柘では耐久性に大きな差があります)
では、何が違うか
印影は同じでも一切機械を使用しない古来からの方法で丁寧に彫られた手彫り印鑑と
字の大半を形成する「荒彫り」という工程の全てを機械が彫刻した印鑑。
そうです 一般の方はまずご存知ないと思いますが、手彫り以外の印鑑は大部分を機械が彫っているのです。
彫刻機械に印材をセットし、決められた文字を高速で回転する針が自動的に彫っていくのです。
その間は無人でも機械が自動的に彫ってくれます。
この工程から価値の違いをご自身で判断していただければいいと思います。
尚、「手仕上げは出来ても、同じ印影レベルで手彫りはできない」という人は多いのです。
これもまた偽装横行の一因です。
(手彫り印鑑の「土手」についてはよろしければブログ→講習会 もご覧下さい)
(Q&Aは以上です)
【編集後記】
手彫り印鑑についてほんの少し説明したに過ぎませんが、このページを読んだだけでは
印章業界に携わる人以外はあまりピンとこないのではないでしょうか。
ちょっとした説明ではハンコ屋さん以外わからなくて当然です。
そこでインチキが広まってしまったのです。
手彫りの工程写真が載っていれば、普通は「この店は手彫りでハンコを作っているんだな」
と単純に思いますよね。
そんな単純ではない・・それどころか、インチキではないお店を探す方が難しい
これが汚点が広まってしまった印章業界の悲しい現実なのです。
私が辛口でしつこいまでに偽装手彫り印鑑について語っている理由は、冒頭の「99.9%の・・・」という理由からです。
偽装やインチキがごく一部でしたらこれほど徹底的に書く必要はないと思います。
しかし、ほとんどの手彫り印鑑がインチキだなんて異様な業界です。
今や手彫り写真の掲載は当たり前、中にはご丁寧に動画を公開しているサイトもあります。
しかし、実際の注文品はサイト上の写真や動画のような手彫りはされておらず、大部分が機械で彫られています。
さながら「赤信号 みんなで渡れば怖くない」という状態です。
そんな業界に警報を鳴らす意味で徹底的にインチキを公開しました。
誤解しないでいただきたいのは、「手仕上げ」印鑑がいけないのではありません。
いけないのは、嘘や紛らわしい表現なのです。
私はインターネットで印鑑を販売しておりますが、実店舗でも印鑑を販売しております。
インターネットで印鑑を調べる事なくお店に来店下さるほとんど全てのお客様は
手彫り印鑑と偽装手彫り印鑑の違いがわかりません。
「手彫り」にこだわらないお客様も多いです。
しかし、だからと言って嘘を付いて印鑑を販売していい訳がありません。
インチキだらけの為に「腕は素人だけど一応手彫り」のお店が繁盛している
という奇妙な現象もあると同業者さんから聞きました。
ネット上ではでよくパフォーマンスとして和服(着物)を着て職人さんがハンコを彫刻している写真を見かけますが
私の知っている一流の技術者の方はみな普通の洋服で彫っています。
江戸時代(資料)や私の亡くなった祖父の写真を見ると確かに和服で彫っていますが
現在は街を歩く人のほとんどが洋服を着ているのと同様、普通の職人さんは洋服で仕事をしています。
また、○○先生の彫刻した印鑑というのもよく見かけますが
この業界で「先生」というのは後継者育成の技術講習の先生だけです。
書道の師範の方も先生と言い、篆刻(落款印)を販売してる方もいらっしゃいますが
落款印と実務の木口印(実印や認印)は彫刻方法が異なりますので、実務印を販売する先生は
技術講習の先生だけです。
先生でもないのに自分で先生を名乗るのはいかがなものでしょうか
どうせなら、でっかく大先生とか名乗れば迫力満点だと思いますが・・・
私は、ハンコの本当の姿を知っていただきたくこのサイトをつくりました。
宣伝リンク先の実店舗を兼ねたネットショップでは
「ハンコの本来の姿」以外
見やすい わかりやすい 紛らわしくない
を基本理念としています。
ショップサイトの「ひな型」の都合上考えている事が100パーセント実施出来ている訳ではありませんが
「良く分からないバナー」や「過剰包装」「過剰セット販売」をせず
お手頃価格で職人が作る印鑑を提供しているつもりです。
「全然お手頃価格ではない!」ですって?
それは、前述の通り「ハンコサイトは嘘だらけ」なのです
安さには必ず訳があります。
当店より何倍も高いお店がありますって?
それは・・・
大先生が和服でハンコを作っているお店なのではないでしょうか。
文責 はんこの印善
本サイト内のリンク一覧 |
本サイト内の文章で付記説明の必要な語句にはリンク先で別途説明文があります。 |
このサイトは印章業界の二大汚点である「開運印鑑」と「嘘の手彫り」について徹底的に批判しております。
ご覧いただく方は不快に感じる箇所もあると思います。
また、既に開運印鑑または印相体、吉相体で彫られた印鑑をお持ちの方はお怒りになる事でしょう。
しかし、「開運印鑑は100%インチキ、手彫り印鑑は99.9%が嘘」という驚愕な事実があります。
私はこれ以上開運印鑑などという粗悪品に、手彫り印鑑という機械彫りのニセモノによる被害を出さない事、
そして撲滅を目指しこのサイトを作っております。
どうぞご理解をお願い致します。