手彫り印鑑の資料 江戸時代の藩札より

江戸時代のお札である藩札です。
保存状態は良くありませんが、それでも篆書体と印影があれば、印章業に従事する者には
貴重な資料となります。


印面一杯に文字を広げる作風と、左右の空間を十分とった作風、また左上の印影(途切れてしましたが)
は今は復刻印以外ではまず彫られていない篆書体の八方崩しです。
右下の印影は籠字(または袋文字)と呼ばれる輪郭文字です。
藩札は印章人にとって大変参考になる資料ですので、もっと採りあげられるべきだと考えております。

籠字の左側(左列下から二番目)は左右に唐草模様の名残りが彫られている江戸時代から
明治初期に多かった印影です。

畳篆風の文字を印面一杯に広げた太枠細字の素晴らしい印鑑です。
古い時代の手彫り印鑑は、やはりいいものですね。
手彫り印鑑